第167話 ページ22
「あら･･･前まで傷だらけだったの･･･。」
「はい･･･でも、しんぺい神さんのお陰で大分薄くなりました･･･。」
Aはソーラ達と話す流れで、自分が入学当初は傷だらけの身体であった事を話した。
ソーラとあちゃみとイナリは悲しそうな顔はするが、それ以上は深く追求しないでいてくれる。
クミはAを、ジーッと見ている。
「･･･傷だらけでも、いいと思う。」
「･･･？傷だらけでも･･･？」
「ん。」
Aが聞き返すと、クミは頷いた。
「その中で、不本意で出来たモノがあるかも知れないけど･･･。
でも、何かを守る為に、強くなる為に出来た傷痕もあるんでしょう？」
「･･･はい･･･。」
「それは、蔑むものでも蔑まれるものでもない。
私だって、ちゃみんちゃんだって、ソーラだって、イナリさんだって傷がある。
でも、その中には･･･誰かを、何かを守る為に出来た傷痕もある。
･･･男にだけあるものじゃない、"名誉の損傷"は。」
クミは真っ直ぐにAの目を見て、ハッキリとそう言った。
「･･･そう、ですね･･･。ありがとうございます、クミさん。」
目を丸くしていたAは、前よりも何かから解放された微笑みでクミにお礼を言った。
Aに感謝されたクミは、何も言わず静かに微笑み返した。
「後日皆で遊びに行こう！Aさん！！」
「へっ･･･！？」
少し涙目になっているあちゃみに言われて、Aはまた驚く。
「折角こうして話せるんだもん！Aさん女の人と遊んだりした事ある！？」
「な、ないです･･･。」
「じゃあ行こう！スイーツバイキングとかあるの！」
『服も見に行ったりしたいね。』
「本屋さんにも行きましょう〜。」
驚くAに、あちゃみ達は楽しそうに女子会の計画を立て始めている。
「(･･･良い人に恵まれてるな･･･私･･･)」
Aは鬱達といる時の鋭い視線が脳をチラつきながらも、ソーラ達の優しさに触れて、ソレへの意識など薄れていった。
「＿A。一緒に動物も見に行こう。」
『お花屋さんも行こうね。』
クミとイナリに両方から手を繋がれて、優しく微笑まれながらそう言われた。
「･･･はいっ･･･。」
Aはまだ少しぎこちないが、満面の笑顔で返事をした。
『え、俺最初にあの笑顔見たかった！！』
『ゾムさん俺にも見せて見せて！！』
『馬鹿！安全装置外れる！！』
「･･･ハアァッ･･･。」
＿通信機から聞こえる声に、トントンは頭を抱えた。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
