第166話 ページ21
「む？Aは何処に行った？」
「あ、グルちゃんとトンち帰って来た。」
「おかえり〜。」
挨拶回りと、各リーダー達への協力要請を終えたグルッペンとトントンが戻って来た。
鬱は半分吸い終えた煙草を消しながら、オスマンは二人に手を振りながら出迎える。
「遅かったね？そんなにかかるもんやった？」
「ともさんとか、リーダー達にちょっと協力要請しとった。」
「Aちゃんについて？」
「の、師匠について探りを入れた。」
「てか大先生気付いとったん？」
「何となく。」
トントンに訊かれて、鬱はヘラヘラと笑って答えた。
「協力してくれそう？」
「ああ。国王二人には初め断られたがな。」
グルッペンがそう言うと、オスマンは嬉しそうに笑った。
「グルッペンも外交出来る様になって･･･。」
「その保護者的感想やめろ･･･。」
嘘泣きをするオスマンに、グルッペンは少し困りながらそう言った。
「んで？グルちゃんとトン氏とマンちゃんと･･･兄さんもやな。4人で何処まで調べとるの？」
鬱は新しい飲み物を貰いながら、グルッペンに訊ねる。
「師匠の名前は分かったからな。師匠の素性を調べていた最中である国に行き着いた。」
「〈パラディ〉ね。実はドロドロしてる所。」
「！兄さん。」
オスマンが見た方から、兄さんが飲み物を片手に歩いて来た。
「グルッペン、もう皆に話して良いの？」
「ああ。他のリーダーに話してアイツ等に教えないと拗ねるだろうからな。」
「まぁ、せやね。」
兄さんが苦笑いするのを見ながら、グルッペンは通信機に指先で触れた。
「全員に通信する。誰にも気付かれないように聞いていてくれ。
尚、コレはAには発信していないのでその事も忘れずに。」
グルッペンは小声でそう言いながら、話を始めた。
「まず、Aの師匠。名は"レベ・パラディ"と言う。
彼は〈パラディ〉の第二王子であったが、亡命して他国で生きていた。
理由は不明であるが、他国にいた頃にAを助けたものと思われる。
ゾムと兄さんにも調査をして貰っているので、各自可能であれば手伝ってくれ。」
『『「ハイル・グルッペン。」』』
目の前の仲間からも、通信機越しの仲間からも、グルッペンはそう言われて小さく笑った。
「･･･で？当の本人は何処に？」
『デザートコーナー。もぐもぐしてるむっちゃ可愛ええ。』
『セコムがスナイパー銃持ちながら言うとる。』
「何で持って来とんねん置いてこい！」
『必需品、必需品。』
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
