第165話 ページ20
「あっ、いたいた！！」
「Aさーんっ。」
「！皆さんっ･･･！」
離れた所から声をかけて来たのは、Aと同じくドレスを着ているあちゃみ・ソーラ・クミ・イナリだった。
「すっごい綺麗！！」
「似合ってるわぁっ。」
「ん。」
『肌が見えてなかった分、新鮮だね。』
鬱が避けてAのそばに来たあちゃみ達は、目を輝かせてAを褒める。
「そ、そうですか･･･？皆さんも、とってもお似合いです･･･。」
Aは戸惑いながらも、微笑んで嬉しそうにそう言った。
「あっ！やっと笑ってくれた！！」
「あ･･･そんなに、笑えてませんでした･･･？」
「そうねぇ。楽しそうではあったけど、笑顔ではなかったわ。」
『笑顔も綺麗だね、Aさん。』
「ん。」
クミは一言だけ言うが、ウンウンと何回も頷いた。
「心境の変化でもあったの？」
「･･･はい･･･。」
ソーラに訊かれて、Aはチラッと鬱達を見てからそう答えた。
「Aさん、あっちのデザートコーナー見た？」
「デザートコーナー･･･？」
あちゃみに訊かれて、Aは首を傾げる。
「あっちにあるの！美味しいから一緒に食べに行かない？」
「あ･･･えっと･･･。」
Aは迷いながら、鬱とオスマンの方を見る。
「行っておいで。折角のパーティーで女の子同士でも楽しまんと。」
「うんうん。俺等はここら辺おるから。」
オスマンと鬱は微笑んで、Aに優しい声でそう言った。
「･･･行って来ますっ･･･。」
「行こう行こうっ！」
Aがそう言い、あちゃみが嬉しそうにAの手を引いた。
「ごーご〜っ！」
「おー･･･。」
『クミさん珍しくノリノリ』
Aとあちゃみの後を追って、ソーラとクミとイナリはデザートコーナーの方へと行ってしまった。
「･･･やっぱ女子達の絡みええな･･･。」
「やだ大先生不潔〜。」
「何でぇ？」
オスマンに言いながら、鬱はポケットから煙草を取り出して火を点ける。
「＿大先生、Aちゃんとおる時は煙草吸わへんな。」
オスマンが首を傾げて、鬱に訊ねる。
「身体に毒やろ、特にAちゃんには。」
「え、珍しい。大先生が気を遣うとか。」
「遣うわ。折角出来た女の子の仲間減らしたくないだけやねん。」
「ただの暇潰しとかやなくて？」
「ちゃうねん。」
オスマンに返事をする鬱は、暗くなった空に向かって紫煙を吐いた。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
