第147話 ページ2
「･･･オスマン、グルッペンから何か言われた？」
ひとらんが訊ねるが、オスマンは少しも止まらずに歩き続ける。
「何で答えねぇの？知られちゃ駄目な事なのか？」
「んー、そんな訳やないよ？でもグルちゃんから止められてるだけ。それにっ！」
ひとらんの方へ振り返ったオスマンは、細く目を開けていた。
「優越感をまだ感じてたいんよね。ひとらん達が知らない事を俺等数人が知ってるって言う。
やから教えたくな〜いっ。」
「(･･･こいつ･･･目ぇ笑ってないぞ)」
細められたオスマンの目は、鈍くギラついていた。
それを見て、ひとらんは少しだけ顔を顰めた。
「そんな怖い顔しないでよ〜！また怖がられちゃうめうっ。」
「･･･はいはい･･･。」
オスマンがいつもの笑顔に戻り、ひとらんは溜め息を吐いて返事をした。
「？オスマンさん･･･？ひとらんさん･･･？」
Aとエーミールがすぐ後ろまで来ていて、Aは不思議そうに二人を見上げている。
「何だか、話し込んでいたので･･･。どうか、しましたか･･･？」
「ううんっ、何にもないめぅっ！
ひとらんに『Aちゃんどんなドレス似合うかな〜』って話してただけめうっ。」
「＿そう。まぁ俺はあんま詳しくないからオスマンとエーミールに任せるよ。」
「そうですか･･･。」
二人に言われて、Aは納得したのかそう言った。
「さっ。早く仕立屋に行くめう〜っ。」
「わっ･･･！」
オスマンに急に手を引かれて、Aは少しよろめいた。
しかしオスマンが支えてくれた為、転ぶ事はなかった。
オスマンはそのままAの手を引いて、先を歩いて行く。
「離れるなっての･･･！」
「ははは･･･。」
怒るひとらんと苦笑いをするエーミールは、オスマンとAの後を追って歩き出した。
「何を話してたんですか？ひとらんさん。」
エーミールはオスマンとAの後を追いながら、隣を歩くひとらんに話しかける。
「･･･Aが、まだ少し俺等と一線を置いてるのは何でか気になってたんだ。
オスマンやグルッペンは知ってるらしいが、教えたくないんだと。
ただ、Aの師匠の事で俺等に黙っている事はあるらしい。」
「ふむ･･･やはりAさんの話でしたか。」
「『やはり』って･･･気付いてたの？」
「まぁ、オスマンさんの目がギラついていたので。」
ひとらんに訊かれて、エーミールは照れくさそうに言った。
「策略立てる奴は分かるんだなぁ･･･。」
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
