第146話 ページ1
2日間の休日を終え、平日を乗り切った後。
「よしっ。じゃあ行くめう〜！」
「(オスマンさん上機嫌･･･)」
入学式から3度目の休日になった朝。
オスマン・A・ひとらん・エーミールの4人は、私服で家を出た。
今日は(主にオスマンが)待ちに待った、Aのドレスを仕立てる日。
「本当なら先週行きたかっためぅ･･･。」
「仕方ないだろ。お前が用事あったんだから。」
ショボンとするオスマンに、ひとらんが溜め息を吐いてそう言った。
先週すぐにでも仕立てに行ければ良かったのだが、オスマンの予定が前々から入っていた為に行けなかったのだ。
「Aちゃんにはどんなドレスが似合うかな〜っ。」
オスマンは語尾に音符マークが付きそうな程、ご機嫌な様子である。
「(礼儀作法はエーミールさんから空き時間に教えて貰ってるけど･･･
ドレスなんて着て、ちゃんと出来るのかな･･･)」
Aは初めて着る事になるドレスに喜びつつも、本番でしっかりと礼儀作法を実践出来るかと不安になっていた。
「･･･大丈夫ですよ、Aさん。ドレスを着ててもしっかり実践出来ますよ。」
エーミールに微笑まれながら言われて、Aは目を丸くさせる。
「な、んで･･･。」
「不安そうな顔をしていたので。
恐らく今の不安はそう言う事だろうかなと思って･･･違いました？」
エーミールに訊かれて、Aは首を横に振った。
「てっきり、心理魔法も使えるのかと･･･。」
「使おうと思えば使えますよ？でも表情の変化などで分かってしまうので。」
「･･･エーミールさんは、本当に沢山の魔法を使えますね･･･。」
「知識はあっても攻撃魔法だけは得意になれませんけどね。」
エーミールはそう言って、苦笑いをした。
「・・・。」
ひとらんはエーミールと並んで歩くAを、無言で見つめながら前を歩いている。
「ひとらん。そんなにAちゃん見つめてどうしたん？」
「！あ、いや･･･少し話す量？が増えたなと思って。」
オスマンに訊かれて、ひとらんは驚きながらもそう答えた。
「確かにねぇ。でもまだちょっと辿々しいね？」
「･･･そう何だよ。何が引っかかってるのか･･･。」
ひとらんが伏し目がちにそう言えば、オスマンは両手を後ろ側で組んで歩く。
「Aちゃんは俺等から信用を得て、"仲間"と言われて少しでも信用してくれた。
看病した事による恩返しって感じかもね。
でもまだ何処か距離がある様に感じるねぇ。"師匠の事"で色々感じてるんだろうねぇ。」
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
