＃356 ページ6
「(…アンタも気に入っとるやんけ…)」
二人で会話をしている鬱とAを、腕を組んで見ているコネシマ。その眼差しは、今まで見た事のない位に、優しそうである。それもあってか表情も、普段の活発さと冷酷さを潜めて、穏やかな顔をしている。
そんなコネシマを見て、チーノは眼鏡の奥で眉を顰めた。
「シンマ、チーノ。
そろそろ始まるらしいし、他と合流しよか？」
「わ、私も・・・一緒で、いいんですかね・・・？」
時間を見計った鬱が、コネシマとチーノに声をかける。Aは少し遠慮しながら、二人に訊ねて来る。
「おぉおぉ！ええに決まっとるやろぉ！？
俺らチームメンバーやで！？遠慮せんで一緒に行こうや！」
「は、はいっ・・・！」
コネシマが豪快に笑いながら、Aに笑いかけて、他メンバーの方に行こうと促す。Aは仄かに表情を明るくさせて、先を行く彼の後をヒョコヒョコと歩いてついて行く。
「ほーんま。
親気取りの兄貴分と、すなお〜について行く小動物やな側から見ると。
片方親知らへんねんけど」
先に行くコネシマとAの背を見ながら、鬱は気怠げな顔をしてチーノの傍に行く。
「・・・鬱兄さんも大分猫被っとると思うんですけど」
「あ？何の話や？
俺は女性には素直になる性格やねん」
「逆やろがぁ。
女子に猫被ってそのままお持ち帰りする気やろがぁ」
「まだ数回しかねぇよ」
「高等部2年目で数回ある時点でアウトなんよ」
「ええからはよ行くぞ」
「は〜ぁい」
鬱に言われ、チーノは気怠げに返事をして、彼について行って歩き出した。
「Aちゃ〜ん、コネシマ〜。こっちやで〜」
「！しんぺい先生・・・」
「う〜いっ」
コネシマとグラウンドを歩いていたAは、手招きをしてくれたしんぺいの傍に行く。彼の傍には、鬱・チーノ以外の全メンバーが揃っていた。
「新入生側はホンマは中央に集まるねんけど、折角やし此処におったらええよAちゃん」
「い、いいんですか…？
私、一応…新入生なんですが…」
「ええのええの。他の先生から了承貰ってるから」
「まあ長年おる先生達からは怒られるねんけどな」
しんぺいの隣にいた兄さんは、遠い目をして新入生達を見ながら、乾いた笑いをしている。
「え、え・・・や、やっぱり、あっち・・・」
「行かんでええ、行かんでええ。
真に捉えすぎやでA。それやと俺らの話ホンマに信じそうやな」
オドオドとして、新入生達の方へ行こうとするA。
兄さんは手を差し出して、真顔で止めに入った。
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桜華(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!!長編ですが、ここまで読んでくださって嬉しいです!!文才はないので他の方から貰ってください･･･((更新、無理せず頑張ります!! (3月3日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - すきです。気付いたら一気読みしていました、！！ところで文才わけてくれまs....調子に乗りましたすいません。更新無理せず頑張ってください。 (3月3日 11時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜華 | 作成日時：2023年12月6日 21時
