＃276 ページ26
「そろそろお昼だけど、
皆ご飯どうするのー？」
爆発事件の騒ぎも、数時間も経てば収まって静かになった。
そんな中、しんぺいが時計を見て全員に訊ねる。
「出前でもええけど･･･」
トントンはそう言いながら、読んでいた本から別へ視線を移す。
「で、出前･･･ラーメン･･･？」
「うん、古いよAちゃん。
今色々出来るんよ？」
首を傾げているAと、彼女の呟きに苦笑いをしながら教えている鬱。彼の話を聞いて、Aは少し目を丸くしている。
「･･･A」
「！は、はいっ」
トントンが声をかけると、Aはハッとして彼の方を見る。
「此処で食べるか、
食いに行くかどっちがええ？
俺らどっちでもええねんな」
「そ、そうなんですか？」
トントンに訊かれて、Aは他のメンバーを見て訊ねる。
傍にいる鬱も、他のメンバーも、ウンウンと頷いている。どうやら本当らしい。
「出かけるなら、
ついでにお洋服も見よ〜？
丁度集まってるんやし、
ショッピングモールにもゲーセンはあるし？」
オスマンはソファーに座りながら、ニコニコと笑い、Aに提案をする。
「ショッピングモール･･･」
「服だけじゃなくて、
小物とかも見れるで。
気に入ったのあるかも知れんよ」
鬱は微笑みながら、Aに更に提案をする。
「･･･外で、食べてみたいです」
オスマンと鬱からの提案を聞いて、Aはトントンにそう答えた。
「ん、じゃあ外で食うか。
おら、出る準備せぇ〜」
「「「はーいオカン」」」
「誰がオカンじゃ！！」
トントンに言われて、動き始める他メンバー。トントンはツッコミを入れながらも、自分も出かける準備をする。
「(外食･･･全然しないからな･･･
ハンバーガーとかあるのかな･･･)」
Aは少ない持ち物が入った鞄を持ちながら、そんな事を考えて、少し胸を躍らせている。
「(らだにぃが何回か、
買ってくれたハンバーガーあったな･･･
セット？だったっけ･･･。
･･･お母さん達とも、食べたな･･･)」
「なぁなぁ、Aっ」
「！は、はいっ」
考え事をしていると、シャオロンに声をかけられた。
「A何食べたいん？
行く予定のとこ、
結構ご飯屋さんあんねんけどなぁ？」
シャオロンはそう言いながら、ショッピングモールの案内が表示された携帯を、Aに見せる。
「えと･･･
あ、此処、知ってます」
「チェーン店やからね？？
え？外食もしかして･･･？」
「･･･しないですね･･･」
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
