【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ10)

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第105話ページ10

シャオロンの目が光り、Aは目を見開く。
「(もし効くなら、これでいける筈や)」
　目が光っているのは、シャオロンが得意魔法の心理魔法で、強力なモノを使ったからだ。
魔力という体力の様なモノを沢山使うが、その分威力が高くなる。
「･･･し、しょう･･･は･･･」
Aが普段より辿々しく、口を開いて喋り始める。
「(！いける･･･！！)」
シャオロンは成功を確信して、いつもの悪い笑みが浮かび始める。

　「シャオロン！何してんねん！！」

「「！！」」
　追いついたトントンに声を掛けられ、シャオロンとAはハッとする。
「と、トントン！」
シャオロンは焦った様に、Aの腕を掴んだままトントンの方に顔を向ける。
「トントン、さん･･･？」
「(あ！解けた！！)」
Aもトントンの方に顔を向けたので、シャオロンは魔法が解けた事が分かる。
シャオロンが気づいた通り、Aは既にシャオロンの魔法は解けていた。
シャオロンの目も、既に光っていない。
「何使ったぁ！？得意魔法使ったやろ！そうやるのは拷問だけにしぃって言うとるやろ！！」
「き、気になってん！！トントンも兄さんもグルッペンも何も言わんのやもん！！」
トントンに怒られて、シャオロンはAの腕から手を放して言い返す。
「分かってから話す言うたやろ！！勝手な事すなぁ！！」
「手伝いやんけ！！」

「･･･シャオロン、さん･･･。」
「ぁ･･･。」
Aに声を掛けられ、シャオロンは「マズイ」と言う様にAの方を見る。
「･･･得意魔法、何ですね･･･少し、話しかけました･･･。」
「へ？」
突然言われて、シャオロンは目を丸くさせる。
「な、何で褒めるん･･･？
　普通、『信じてくれなかったんですか』とか落ち込むもんやないん･･･？」
「そう、なんですけど･･･出会って、1週間も経っていないですし･･･。
　戦争国家の、隊長さんでしょう･･･？
　戦争が、頻繁なら･･･人を疑い深いのも、納得出来るので･･･。」
「や！疑ってる訳じゃなくてな！？」
Aが淡々とそう話すのを、シャオロンは慌てて否定する。
「シャオちゃん･･･悪い男やで･･･。」
「ホンマやな。」
「合流した途端俺への扱い酷いなぁ！！」
いつの間にか合流した鬱とコネシマが、煙草を吸いながら3人の様子を眺めていた。

「あー･･･気ぃ悪くしたやろ？A･･･スマン･･･。」
「いえ･･･出生も分からない、私を･･･疑うのは、必然です･･･。」