【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ12)

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第107話ページ12

「鬱は？」
「俺は大丈夫。」
「そか。Aは？」
「私も大丈夫、です･･･。」
「よし。じゃああんま離れないで、後退しつつ戦闘な。」
トントンに指示され、全員がまた戦闘態勢に入る。
「よし、応援来るまで持ちこたえるでー！」

　２度目のゾンビ集団が近づいて来て、5人はまたゾンビ討伐を再開する。
先程の様な巨体ゾンビはいないが、ざっと見で数が倍はいる。
「A！闇魔法で足止めしてくれ！！」
トントンの指示で、Aは小範囲のゾンビの足元に闇の渦を出現させて動きを止める。
その直後にトントンが剣を使って、動きが止まったゾンビ達の首を切り落とした。
「これ終わるん！？多いねんけど！！」
「応援来るまで持ち堪えるの大変やでこれ！！」
　最初のゾンビ集団討伐で、疲れが来ているメンバーは息が切れ始めている。
ロボロからの通信はなく、応援がいつ来るかも分からない。

　「ぶーーーんっ！！！」

「！来たぁ！！」
　突然上の方で強風が吹き荒れて、シャオロンが嬉しそうに顔を上げる。

　「チッスチッス！」
　「来ましたー！」
　「消耗戦なるんで帰りましょー。」

　実体化した煙に乗り、風によって飛んできたゾム・チーノ・ショッピ。
その3人を見て、5人は表情が明るくなる。
「はい掴まって～。」
ショッピがそう言うと、A以外が実体化した煙を掴んで浮き上がった。
「Aはコッチな！！」
「きゃ･･･！？」
ゾムがAを嬉しそうに抱き上げたので、Aは少し目を丸くさせて浮き上がった。
「お疲れA！頑張ったなぁ。」
「み･･･見てたん、ですか･･･？」
実体化した煙に座るゾムの膝に座らされながら、Aは戸惑う様に訊ねる。
他の浮き上がったメンバーも、煙に座って一息吐いている。
「いや？俺等通信機とかで状況は確認しとってん。
　巨体ゾンビ倒したんやろ？しかも風魔法！お、俺の得意魔法やしっ。」
ゾムはとても嬉しそうに、Aにそう話してくれる。
「使い･･･やすいんですよね･･･。」
「せ、せやろ？得意魔法一緒にしてもええんやないっ？お、俺と、オソロッ！」
「んー･･･考えて、おきます･･･。」
Aがそう答えると、ゾムは嬉しそうに鼻歌を歌い始めた。

　水の様に溢れるゾンビ集団を下に見ながら、煙に乗った8人は空中を移動して帰路につく。
「ゾムー？あのー、Aはぬいぐるみやないんやで？そろそろ放しなさい。」
「何でや！寒いやろと思って温めとるねん！！」
「(温かい･･･)」