第141話 ページ42
一度気持ちを落ち着かせる為、Aはしんぺいに抱き上げられたまま研究局を出て行った。
1人になった部屋で、くられは深くため息を吐く。
「･･･弱ってる顔は、苦手なんだよなぁ･･･」
『___先生っ。今日は何をするんですか?』
「(･･･“記憶持ち”も辛いものだねぇ･･･)」
椅子の背もたれに寄りかかりながら、くられは青空を見る。
「･･･今回も、厄介な“設定”を持ち込んだね･･･」
バンッ!!
「ちょっとくられ先生！？
Aちゃん顔真っ青にしとったんですけど！？？」
勢いよく扉を開けて入って来たのは＿＿＿
息を切らしている“青いモルモット”
「(･･･君も、何も知らないままこの後も過ごすんだろうね)」
くられは空を見るのをやめて、姿勢を正して立ち上がる。
「やあ！鬱くん！
やっと此処に来てくれたね？寂しかったんだよ！」
そう笑顔で言えば、青いモルモット＿鬱くんはたじろいだ。
「や、こっちも忙しくて〜･･･じゃなくて！
Aちゃんしんぺいさんに抱えられて
むっちゃ顔青くしとったんですけど、
くられ先生なんかしました！？」
「何もしていないよ？
した事と言えば･･･決意表明？」
「け、決意表明？？？」
私の言葉が不思議で、ポカンとしている鬱くん。
そんな様子が可笑しくて、思わずクスクスと笑ってしまった。
「不安だったら、追いかけた方がいいんじゃないかい？
彼女今、精神的に不安定だろうから」
「だから原因探りに来たんすわっ！！
教えてくれなさそうだし、もう行きますね！？」
「また暇な時においで〜」
ひらひらと手を振れば、来た時とは真逆で丁寧に扉を閉めて出て行った鬱くん。
「･･･ごめんね、鬱くん。
君にでも教えてあげられないんだ。
この“記憶”は大事に大事にしておきたいんだよ」
1人になった部屋で、小さく呟く。
空いていない筈の窓から温かい風が流れ込んだ。
風は頬を撫でて、扉の方へと抜けて行った。
「･･･ッハハ･･･
隙間風にしては風量が多かったな。
コネシマさんにでも頼んで、窓を直して貰うしかないなぁ」
そう呟けば、再度同じ様に風が流れ込んだ。
「･･･分かってる、見守っているんだね。
全く君は諦めさせたいのか、
諦めて欲しくないのか･･･困った子だね･･･」
また風が吹くのを期待したが、温かな風は頬を撫でてはくれなかった。
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眼目夢子(プロフ) - らとるだお()さん» コメントありがとうございます！こんな感じの夢主、私も好きなんです(*´ω｀*) (2022年4月12日 7時) (
レス) @page50 id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
らとるだお() - 夢主ちゃん可愛いですなぁ…(*´꒳`*) 眼目夢子様の夢主ちゃん俺の好みでありがたいｯｯｯｯ‼︎(*´∇｀*) (2022年4月11日 22時) (レス) @page44 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - 萌猫さん» 萌猫さん、読んでくださりありがとうございます！今回も沢山の方が出てくるので、お楽しみに！です！！萌猫さんもお身体にお気をつけてお読みくださいっ！！ (2022年3月12日 22時) (レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
萌猫(プロフ) - 続編おめでとうございます！輪廻巡りからどハマりして漸く作者様の過去の作品も読み終わりました。今回の作品もどのように進んでいくのか凄く楽しみにしています！お身体にお気を付けて更新頑張って下さい、応援しています‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 50be2ea41a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年3月8日 7時
