第124話 ページ25
手当を終えたしんぺいは、Aと共に食堂へと向かう。
「Aちゃん、歩きにくくない？」
しんぺいがそう言うと、しんぺいの隣を歩いていたAはビクッとする。
「･･･うん、やっぱり？」
しんぺいが苦笑すると、Aはしんぺいから目線を逸らした。
Aはしんぺいの隣を歩いているのだが、包帯が邪魔をしているのか歩き方がぎこちない。
「歩け、ます･･･」
「歩けるのは分かってるけど･･･
補助ないと歩きにくくない？はいっ」
しんぺいは何かを思いついて、Aに笑顔で片手を差し出す。
「・・・？」
「手、繋いで行こう？
そうすれば僕支えになれるからさ」
首を傾げるAに、しんぺいはそう答える。
「･･･で、すが･･･迷惑、では･･･」
「全然？むしろ可愛い子と手を繋げて役得だよ？」
「か･･･うーん･･･？」
しんぺいの言葉に引っかかりつつも、Aはオズオズとしんぺいの手に自分の手を乗せる。
「ん、行こっか」
しんぺいは満足そうに笑いながらそう言い、Aの手を優しく握った。
そして、Aが歩くスピードに合わせて、再び歩き出した。
「(･･･男ばっかとか言われるけど･･･
一応俺も男なんだなぁ･･･)」
しんぺいはそんな事を思いながら、Aをチラリと見る。
Aは不思議そうに繋いでいる手を見ながら、食堂へと歩みを進めていた。
少しもぞもぞと手を動かすのでくすぐったいが、自分とは違う細い指と小さな手に、胸辺りが温かくなるのを感じる。
「(･･･慣れてないんだろうなぁ･･･)」
「(･･･大きい･･･太い･･･温かい･･･)」
Aは自分が見られている事に気付かずに、握っている大きい手を眺めている。
自分よりも大きな手は、優しく自分の手を握ってくれて支えてくれている。
「(･･･チュテレやアングとは、また違うんだな･･･
2人もだけど、2人とは違う温かさが･･･)」
「＿＿＿Aちゃん、食堂に着くよ」
「！あ・・・」
しんぺいに声をかけられて、Aはハッとしてしんぺいを見上げる。
「ふふっ。そんなに手を繋ぐの珍しかったのかな？」
しんぺいは優しく笑って、少し首を傾げて訊いて来る。
「･･･そう、ですね･･･。
ここまで、気にした事･･･なかった、です･･･」
「･･･そっかぁ。
少しだけ心に余裕が出来たのかもね」
しんぺいはそう言い、大きい食堂の扉を開いてAと共に中へ入った。
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眼目夢子(プロフ) - らとるだお()さん» コメントありがとうございます！こんな感じの夢主、私も好きなんです(*´ω｀*) (2022年4月12日 7時) (
レス) @page50 id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
らとるだお() - 夢主ちゃん可愛いですなぁ…(*´꒳`*) 眼目夢子様の夢主ちゃん俺の好みでありがたいｯｯｯｯ‼︎(*´∇｀*) (2022年4月11日 22時) (レス) @page44 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - 萌猫さん» 萌猫さん、読んでくださりありがとうございます！今回も沢山の方が出てくるので、お楽しみに！です！！萌猫さんもお身体にお気をつけてお読みくださいっ！！ (2022年3月12日 22時) (レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
萌猫(プロフ) - 続編おめでとうございます！輪廻巡りからどハマりして漸く作者様の過去の作品も読み終わりました。今回の作品もどのように進んでいくのか凄く楽しみにしています！お身体にお気を付けて更新頑張って下さい、応援しています‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 50be2ea41a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年3月8日 7時
