第62話 ページ15
先に服屋から出たゾムは、Aを連れて近くのクレープ屋に行った。
「A、何か食べへん？」
「･･･いちご･･･。」
ゾムに言われてAはメニュー表を見ると、決めたのかイチゴクレープを見ながら呟いた。
「イチゴクレープとバナナクレープ、1つずつ。」
「！お、金･･･」
「えーの。俺食いたいから付き合わせとるだけやし。」
「･･･ありがとう、ございます･･･。」
「ん。」
「(また奢って貰ってしまった･･･)」
ゾムが支払いをするのを見ながら、Aは申し訳なさそうな顔をする。
「(皆さん『いいよ』とは言うけれど･･･奢られ過ぎている気がする･･･
自分で買った物･･･あ、新聞今日の分買ってない･･･)」
「A？クレープ出来たからベンチ座って食べよ？」
「！は、いっ･･･。」
Aが考え事をしている間にクレープは出来上がっていて、ゾムが二人分のクレープを持っていた。
Aはゾムと共にベンチに座ると、ゾムからクレープを差し出されて、お礼を言って受け取った。
「･･･！お、いしい･･･。」
「久しぶりに食ったわ。」
Aが一口食べる間に、ゾムはどんどんと食べ進めている。
「あ！美味しそうなもの食べてるー！！」
「クレープか。」
「おん。」
オスマンとひとらんが会計を済ませて、ゾムとAの所に来た。
ひとらんの手には、店で貰ったであろう紙袋がある。
「コレ、ジャージ。忘れてたでしょ？」
「！あっ･･･。」
「オスマンが、Aが着替えてくれない事がないようにって取っちゃったから。」
「あ、ありがとう･･･ございます･･･。」
Aはひとらんから紙袋を受け取って、自分の横に置いた。
「Aちゃん、一口ちょーだいっ。」
「へっ･･･？」
「お前は少し懲りろ。」
オスマンが前屈みになってAに訊ねると、Aは目を丸くさせて、ひとらんはオスマンの襟を掴んで体勢を正させる。
「あんっ、俺のいちごクレープがっ。」
「Aのだわ。お前のではない。」
「･･･あ、の･･･食べ、ます･･･？」
「「「！？」」」
Aがオスマンにクレープを差し出すので、オスマンもひとらんも目を丸くさせるし、ゾムは後少しで食べ終わる筈だったクレープを前に吹き出す。
「ッゴホッ！ゲホッ！！」
「ぞ、ゾムさん･･･っ？大丈夫、ですか･･･？」
「む･･･無自覚こえぇ･･･。」
「･･･俺やった事案外間違いないやろ、らんらん。」
「･･･ああ･･･。」
「？？」
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眼目夢子(プロフ) - III IV IV〈みよよ〉さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいですっ！応援ありがとうございますっ！！まだまだ続きますのでよろしくお願いしますっ！！ (2021年11月8日 21時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
III IV IV〈みよよ〉 - あかがみんが出て大興奮中の私ですwすごい面白いです！応援してます (2021年11月8日 21時) (レス) @page50 id: 416f1ef278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月7日 10時
