9.運命の輪との出逢い ページ9
さて、これで、吸血鬼の件は片付いた。
と勝手に思い込んでいた私は、思わぬ伏兵に驚くことになる。
骨董屋に御国さんがいないのを、知ってか知らずか、C3の猟犬(とドクトルに教わった)がいたのである。
私は、前回の遭遇以来、言い知れぬ恐怖に襲われることが度々あったので、その元凶の前では、為す術もなかった。
彼は、私の恐怖を知ってか知らずか、「君を迎えに来たんだ。」とだけ言った。
天災は、忘れた頃にやって来るってこういうこと?
正しくは、人災?
やっぱり、戦うしかないの?
でも、こんなこと今までにはと逡巡する私をロウレスは、庇おうとしてくれた。
ただでさえ、恐怖と冷静さが綯交ぜになっていた私は、彼と戦うことを決意した。
と同時に彼は、「君が俺と戦う意思があるなら、俺も君と戦わなくちゃならない。今ならまだ間に合う。君を傷つけたくない。」と言い出した。
覚悟を決めるしかないと腹を括った丁度その時、「吊戯、そのくらいにしておけ。」と第三者の声がした。
眼鏡をかけていて、イクメンという風貌の男だった。
彼は、車守循一郎と名乗り、彼の同僚だと釈明し、迷惑をかけたと詫び、姿を消した。
どうも、彼は、苦労性のようだ。
私は、どうも、2度も自分の命を拾ったようだった。
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作者名:灯夢 | 作成日時:2018年4月13日 14時