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27.予期せぬ別離 ページ27
「できることなら、ずっと、Aの側にいたいっすよ。でも、俺が側にいたら、Aは、よけい、吸血鬼に狙われるようになる。だからといって、一度、縁ができてしまった以上、吸血鬼に狙われずに、過ごしていくことは、難しい。だから、あの骨董屋に、Aのことを託すことにしたんす。」と言った彼の目から、涙が零れ落ちていくのを私は、見た。
私は、全ての真実を御国さんが持っているなら、ロウレスの言う通り、彼に頼らなければと思い、ロウレスの意志を尊重することにした。
彼は、しばらく泣いていたが、泣き止んで骨董屋を出ていった。
私が、全ての気持ちを込めて最後にありがとうと言った時のロウレスの顔が忘れられない。
無人の骨董屋で、「また、会えるよね。」と呟いた時、「当たり前じゃないっすか。」というロウレスの声が聞こえた気がした。その日は、雪が降っていた。
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作者名：灯夢 | 作成日時：2018年4月13日 14時
