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あっという間に季節が過ぎ去り、卒業式を迎えた。
美羽は美容師の夢を叶えるため、専門学校に通うことが決まった。私はというと、先生のおかげで無事合格し、この春からは女子大生だ。
式が終わったあと、私は図書室へと向かった。先生の言いつけ通り、あれから一度も足を踏み入れることはなかったのだけれど、最後にもう一度、大好きな空間で、その空気を吸いたかったのだ。
「ふうー、やっぱり落ち着く」
そう言って、椅子に座り大きく伸びをする。卒業式だからかな……人気もなく、とても静かだ。
目を閉じて、しばらく机に突っ伏していると、すぐ傍から懐かしい声が聞こえた。
「A……先輩?」
驚いてパッと顔を上げた途端、本を片手に持った炭治郎くんと視線が合わさる。
「あ……久しぶり」
僅かに口角を上げた私を見て、炭治郎くんはふんわりと優しく微笑んだ。
「久しぶりですね。卒業おめでとうございます!」
「うん……ありがとう」
数秒間の沈黙。ほんの少しの気まずい空気。
何か話そうと口を開こうとしたとき、彼は腕時計をちらりと見た。
「じゃあ俺、友達と待ち合わせしてるので帰りますね」
軽く会釈をして出口の方に歩を進めた彼に、
「待って!」と慌てて声をかける。
立ち上がった瞬間、ガタッと椅子の音が響いた。
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彩乃(yumeko)(プロフ) - 愁さん» 愁さん、こんにちは!コメントありがとうございます!最後まで最高でしたか(*´∀`*)初ヤンデレだったので、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(*´-`)次の話も今書いている途中ですので、是非またいらしてください(-´∀`-) (2021年5月14日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - yumekoさん!お久しぶりです。やーっと読みに来れました(*^_^*)最後まで、最高のヤンデレでしたよー!!ありがとうございました!! (2021年5月14日 5時) (レス) id: 698f8cda36 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» わぁぁ、よもやよもやだ!杏寿郎からコメントいただけるとは(*´ω`*)ありがとうございます!凄かったですか!笑 次はね、またキョウジュロなんです(>_<)優しいキョウジュロなので、ヤンはひとまず休憩します(笑 また是非来てください(-´∀`-) (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃん!(>_<)コメントありがとう(-´∀`-)わぁ、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しい(*´-`)カッコ良すぎるだなんて(照)炭治郎はライバルにするとあかんね(笑 いい子過ぎて!次は宇髄さんも出るのでどうぞよろしくお願いします(^^♪ (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - よもや!よもやだ!完結おめでとうだな!凄かったぞ!ヤンデレの俺か・・・・・・、うむ!次は冨岡の描いて欲しいと思っているが次のも楽しみにしてるぞ!最後に完結おめでとう!これからも心を燃やして責務を全うしてくれ!炎柱、煉獄杏寿郎でした!またな! (2021年5月8日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yumereiao519
作成日時:2021年3月17日 21時