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「これが校長にバレたら、間違いなく君は停学処分だな。さっきの会話も全て録音している。
「そ、そんなっ」と青白い顔で頭を抱えている彼女に、尚も先生は言葉を続ける。
「君は確か……推薦で大学を受けるそうだが、このままだと──」
言い終わらないうちに、彼女は深々と頭を下げた。
「ご、ごめんなさい!お願いします……どうか見逃してください!」
必死に懇願する彼女を見て、大きくため息をついた先生は、「わかった」とひと言。
すぐに顔を上げた彼女の表情が、ぱっと笑顔に変わる。その瞬間──先生は彼女に顔を近づけながら言った。
「その代わり、二度とAに近づくな。これ以上彼女を傷つけたら、俺は君に何をするかわからない」
怒りに満ちた声と表情に、彼女の顔がみるみる強張り、唇が震え出した。
「わ……わかりました」
彼女はたじろぎながらそう言うと、足早にその場を去って行った。あまりの迫力に動揺した私は、ふう、と小さく息を漏らす。
「先生、何もあそこまで言わなくても……」
「なに、ちょっとした脅しだ!それに、彼女の素行が悪いことは事実。黙認してもらえるだけでも、ありがたいと思ってほしいくらいだ」
ハハハと、面白そうに笑う先生。苦笑いをしていると、急に真剣な表情で私の顔を覗き込んだ。
「それよりA、背中に痛みはないか?まさか押されるとは思ってなかった。もっと早く助けるべきだったな……すまない」
眉を下げながら申し訳なさそうに謝る先生に、
「いえ、これくらい平気です」と元気よく返答する。
「……そうか。だが、念のため保健室で診てもらいなさい。今日の掃除はやらなくていい」
先生が私の髪を耳にかけながら、優しく微笑んだ。途端に胸がきゅーっとなって、思わず彼の手を握ってしまった。
「先生……」
「ん?」
「……ありがとう。なんか嬉しかった。やっぱり先生は違うんだね。他の先生と全然違う」
頬に熱を込めて照れながらそう言うと、先生は私の手首を引っ張り、準備室の扉をガラッと開けた。
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彩乃(yumeko)(プロフ) - 愁さん» 愁さん、こんにちは!コメントありがとうございます!最後まで最高でしたか(*´∀`*)初ヤンデレだったので、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(*´-`)次の話も今書いている途中ですので、是非またいらしてください(-´∀`-) (2021年5月14日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - yumekoさん!お久しぶりです。やーっと読みに来れました(*^_^*)最後まで、最高のヤンデレでしたよー!!ありがとうございました!! (2021年5月14日 5時) (レス) id: 698f8cda36 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» わぁぁ、よもやよもやだ!杏寿郎からコメントいただけるとは(*´ω`*)ありがとうございます!凄かったですか!笑 次はね、またキョウジュロなんです(>_<)優しいキョウジュロなので、ヤンはひとまず休憩します(笑 また是非来てください(-´∀`-) (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃん!(>_<)コメントありがとう(-´∀`-)わぁ、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しい(*´-`)カッコ良すぎるだなんて(照)炭治郎はライバルにするとあかんね(笑 いい子過ぎて!次は宇髄さんも出るのでどうぞよろしくお願いします(^^♪ (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - よもや!よもやだ!完結おめでとうだな!凄かったぞ!ヤンデレの俺か・・・・・・、うむ!次は冨岡の描いて欲しいと思っているが次のも楽しみにしてるぞ!最後に完結おめでとう!これからも心を燃やして責務を全うしてくれ!炎柱、煉獄杏寿郎でした!またな! (2021年5月8日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yumereiao519
作成日時:2021年3月17日 21時