. ページ14
.
先生の言う"勉強に集中できる場所"には、学校から車で十五分ほどで到着した。
眼前にあるのは、オートロックのマンション。まさかと思い、先生に尋ねる。
「ここは……もしかして先生のご自宅ですか?」
「うむ、正解だ!」と、明るく答える先生。どこに目線を向けているのかわからない彼を見て、私は大きくため息をついた。
「あの……ここで勉強なんて、余計に集中できないと思いますけど」
正直に言うと、肩をバシッと叩かれる。先生は加減を知らないのだろうか。あまりの力強さに、一瞬顔を歪めた。
「大丈夫だ!君の部屋は特別に用意してある。俺はリビングにいるから、わからないことがあればすぐに呼んでくれ」
"大丈夫だ!"って、全然大丈夫じゃないんですけど……!でも、口答えしたらきっとまた……イヤらしいことをされるに決まっている。
さっきの
*
十畳くらいの広い部屋に通されると、そこには、机と椅子、本棚、ソファとその前にローテーブルがあった。
「何か飲み物でも飲むか?」
ドアを少し開いて、先生が言う。
「いえ、大丈夫です」と答えると、先生はやわらかく笑った。
「遠慮は無用!この部屋にも冷蔵庫があるから、そこから好きなものを選んで飲むといい。空腹であれば軽食も用意しておく」
「え、あ……ありがとうございます。でも、飲み物だけで大丈夫です。母が夕食を用意していると思うので」
「む?おにぎりかサンドイッチくらいなら大丈夫だろう」
先生はそう言い残し、パタンと音を立てて扉を閉めた。足音が遠ざかると、私はふーっと大きく息を吐いて、ソファに鞄をそっと置いた。
先生は怖いときもあるけど、優しいときもある。
──何なんだろう、よくわかんないや。
しばらくぼーっとしたあと、頭をふるふると思いっきり横に振った。
いけない!勉強しないと……!こうなったら意地でも志望校に合格してやるんだから!
気合いを入れて、鞄から参考書を取り出した。
.
550人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 愁さん» 愁さん、こんにちは!コメントありがとうございます!最後まで最高でしたか(*´∀`*)初ヤンデレだったので、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(*´-`)次の話も今書いている途中ですので、是非またいらしてください(-´∀`-) (2021年5月14日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - yumekoさん!お久しぶりです。やーっと読みに来れました(*^_^*)最後まで、最高のヤンデレでしたよー!!ありがとうございました!! (2021年5月14日 5時) (レス) id: 698f8cda36 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» わぁぁ、よもやよもやだ!杏寿郎からコメントいただけるとは(*´ω`*)ありがとうございます!凄かったですか!笑 次はね、またキョウジュロなんです(>_<)優しいキョウジュロなので、ヤンはひとまず休憩します(笑 また是非来てください(-´∀`-) (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(yumeko)(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃん!(>_<)コメントありがとう(-´∀`-)わぁ、そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しい(*´-`)カッコ良すぎるだなんて(照)炭治郎はライバルにするとあかんね(笑 いい子過ぎて!次は宇髄さんも出るのでどうぞよろしくお願いします(^^♪ (2021年5月8日 12時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - よもや!よもやだ!完結おめでとうだな!凄かったぞ!ヤンデレの俺か・・・・・・、うむ!次は冨岡の描いて欲しいと思っているが次のも楽しみにしてるぞ!最後に完結おめでとう!これからも心を燃やして責務を全うしてくれ!炎柱、煉獄杏寿郎でした!またな! (2021年5月8日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彩乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yumereiao519
作成日時:2021年3月17日 21時