シャープペン【 国見英 】

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なんで彼女がそんなことを聞いてきたかはわからない。


とくに疑問にも思わなかった。




「 で、ここはこの公式を使って… 」




普通に退屈。


金田一に釘を刺されたばっかなのに、眠気が襲ってきた。




最後に聞こえたのは、


「 おい佐野ー、隣のヤツ、起こしてやれ 」


なんていう先生の声だった。







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「 隣のヤツ、起こしてやれ 」


「 え、私ですか？ 」




国見くんは、いつのまにか眠ってしまっていて。


いつもなら先生が起こすのに…とか思いながら、どうやって起こそうか悩む。




そんなに親しくないし、教科書でバンッ！は、やめたほうがいいよね。




手に持っているシャープペンに目を向ける。


…これか。



書く方とは反対のところで、

国見くんの頬をつんっとつつく。



男の子なのに柔らかい…




「 国見くん、起きてー 」


「 ん…、そんなにぐっすりは寝てないよ…… 」




意味深な言葉を呟きながら国見くんが体を起こす。


…あ、なんか可愛いかも。




「 ありがとな、佐野 」




先生の顔は、意味ありげな笑みを浮かべていた。




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