おっぺけ四人組、今日もゆるーく活動中。【オリジナル】 (ページ50)

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おっぺけ日誌その２９ページ50

「やっと完成だ…」
「長かったね…」

ボールペンを置いて軽く伸びをする。
最初こそかなりのテンションで質問に答えていた福沢は途中でソファ寝転び爆睡、それにつられて犬川もダイニングに座り、テーブルに突っ伏す形でこれまた爆睡してしまった。
私の隣に座った奥沢は夜遅くまで起きていることに慣れているせいか平気そうで、いびきを立てる犬川を見て微笑んでいる。

「…こいつら起こそっか」
「そうだね、このままだと風邪ひきそう」

奥沢とほぼ同時に席を立ち、向かいに座る犬川から起こす。奥沢は福沢を起こしにリビングへ向かった。

「犬川ぁ、おーきーろー」
「んー…あと二時間…」
「欲張るな」

軽く頭をはたいてみたが起きる気配はない。
その後数分間犬川を起こそうと試みたが犬川は全く起きようとしなかった。このやろう。
福沢の方はどうかとリビングを見ると、福沢はまだ寝ていた。そう言えば福沢は一度寝るとなかなか起きないのだった。
これではどうしようもないかとため息をついて布団をいくつか運んできてその1枚を犬川の背に掛け、ソファへと向かう。
福沢を起こすのを諦めたのかついたままのテレビを見る形で座る奥沢に、ふと思い出した事を尋ねてみた。

「そう言えば奥沢さ、さっき日本国内の旅行の事なのに国がどうとか言ってなかった？」

奥沢が旅行と口にするのが珍しくて聞き流していたが、改めて考えると奥沢の言い方は一つの県がまるで一つの国であるかの様だ。
奥沢の言い間違いの可能性はあるが、何故だろうか確認はしておきたかった。

…しかし、奥沢は私の問いに答えてはくれなかった。

「…奥沢？」

返事すらしないのを不審に思いながら福沢に布団を掛け、回り込んで奥沢の顔を見る。

「…うわっ」

驚くことに、奥沢はテレビの方向を向いて座り、白目を向いて寝ていたのだ。
奥沢は眠気に耐えきれないと、白目を剥いて寝てしまうのだ。
普通に寝る時は白目など剥かないのだが、頑張って起きようとするとこうなる。

「…だからドライアイなんだよ…」

驚きでバクバクいう心臓を押さえながら悪態をついてみる。
新たな布団を取り出して奥沢に掛け、私はベッドとテレビだけを置いた自室へと戻る。
1日中歩き回った上に遅くまで書類への記入をしたことによる疲労は思いのほか大きい。
私はベッドに倒れ込むようにして眠った。