おっぺけ日誌その26 ページ45
「な、何で戻ってきたんですか?」
「丸腰で玄関を開けるとは余裕ですね」
「質問には答えてくれないんですね…」
体制を整えて改め佐藤さんを見ると、彼女は木刀を手に握っていた。殺す気か。
「玄関で立ち話もなんですし、中に入りましょうか」
「え、あ…そうですね」
佐藤さんはずかずかと部屋に入って行く。
私は慌てて玄関のドアと鍵を閉めてそれを追う。
「前川ぁ、何か音したけど何かあった…あれ、何で佐藤さん?」
リビングに入るとカーペットに寝そべる福沢が顔だけをこちらに向けて声を掛けてきた。
さすがの福沢も突然の佐藤さんの登場には驚いたようだ。
「あなた方に伝えそびれた事があったので戻って参りました。」
「…明日じゃだめなの?」
ソファ座ってテレビを見ている犬川が気だるげに言った。少し煩わしそうだ。
ちなみに奥沢は我関せずと言わんばかりにスマホをいじっている。お笑いに飽きたのだろう。
「今日やっておいた方が手っ取り早いので。」
佐藤さんは相変わらずの無表情で自分の鞄から書類らしきものを出した。
ダイニングのテーブルに置かれたそれの表紙には、『新入居者情報記入書』というタイトルと提供元だけが書かれていた。
見た感じ施設から出されたものだろう。
「この書類の記入欄を埋めて明日私に提出してください。」
「…はい?」
「あともう一つ伝えたいことが。」
話がどんどん進んでいくが、質問はさせてくれないようだ。
佐藤さんは淡々と話し続ける。
「来客時にはまずインターホンを見てください。
それと、ドアを開ける時には武器を持っておくこと。玄関に武器を置いておくのが懸明かも知れませんね」
佐藤さんはがっつり私の方を見て言ってくる。
さっきの「余裕ですね」はこの事だったのか。
それにしても、この街はそれ程物騒なのだろうか。
「いつゾンビが来るか分かんないもんな!」
「え、ゾンビって室内には来ないんじゃないの?」
「でもたまにヤバイやつ居るじゃん!めっちゃ頭いいヤツとか!」
私の疑問に答えたのは福沢だった。
私含めみんなと一緒にこの施設に来た割に詳しい。
福沢には妙な洞察力があるからかも知れない。
あの洞察力はうめえ棒限定ではなかったのだろうか。
「…前川さん以外が理解しているなら大丈夫そうですね。
前川さんは学生時代の教科書を読み直す必要があるかもしれませんね」
「あっ、はい…」
…なんか今物凄く貶されたような気がするが気のせいだと思おう。
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ダラス(犬川)(プロフ) - 虎珀(前川)さん» 辛みwwwww厄介どころの問題じゃないべwwwww (2016年12月3日 20時) (レス) id: 626742bfc4 (このIDを非表示/違反報告)
虎珀(前川)(プロフ) - ダラス(犬川)さん» いやあいつからしたら年中ハロウィンみたいなもんだからなぁ…かなり厄介だわwww (2016年11月23日 10時) (レス) id: d799c0e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダラス(犬川)(プロフ) - 虎珀(前川)さん» 「いやまだだし」って常に言えるねwwwwwトリックオアうめえ棒wwwww (2016年10月3日 16時) (レス) id: 626742bfc4 (このIDを非表示/違反報告)
虎珀(前川)(プロフ) - ダラス(犬川)さん» 「トリックオアうめえ棒!」とか年中無休で突然言ってきそうだよなwww後ろからwwwww (2016年9月30日 1時) (レス) id: 7b11287e77 (このIDを非表示/違反報告)
ダラス(犬川)(プロフ) - 虎珀(前川)さん» んなっ!?wwwwwくっ!?wwwwwいつの間にそこに...!!ww (2016年9月21日 23時) (レス) id: 626742bfc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:片桐(前川) | 作成日時:2016年6月5日 21時