おっぺけ四人組、今日もゆるーく活動中。【オリジナル】 (ページ21)

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おっぺけ日誌その１０ページ21

「頭が固いからそんなアホ毛になるんじゃない！？ショウヒゼーズは悪の組織！！」
「じゃあお前はうめえ棒ばっか食べてるから身長伸びないんじゃね！？ショウヒゼーズは悪くない！！」

「…この施設は広いですから、利用頻度の高そうな場所だけ案内致しますね。」

福沢と犬川の激しい言い争いは続いたままだったが、放っておくのが楽な手段だと認識したであろう佐藤さんは、私と奥沢に説明をしながら歩き始めた。
そうすると争ったまま二人も付いて来る。

「まず派遣所についてですが、この町には派遣所が各区にあります。
皆様がお住みになる３２区にも派遣所はありますが、私が常駐しているのはこの２４区の派遣所です。」
「じゃあ佐藤さんが私達のインストラクターと言うことは…」
「はい。何か御用があれば２４区の方にご連絡いただければと思います。」

佐藤さんは相変わらずの無表情だが、しっかりと目を合わせて私の言葉に答えてくれる。
愛想はないがマニュアル通り、と言った感じだ。

「基本的に派遣所にはゾンビ達は寄り付きません。ここはゾンビ討伐の手練れが多いですし、
奴らも本能的にこの場所を避けるのかも知れませんね。」

そう言われて辺りを見回してみる。
確かに、人間は居てもさっきのようなゾンビ達は居ない。
駐車場でゾンビと遭遇したのもかなり珍しい事だったようだ。

「これから私達が自分でゾンビを倒さないといけないんですよね…？」

奥沢が少し怯えた様子で質問した。
腫れている頬を手当てしてやりたいが生憎湿布等は持ち合わせていない。

「そうですね。ですが必ず倒さなければならない訳ではないですし、私も無闇やたらに倒してはいません。」

ならあの時３体のゾンビを薙ぎ倒したのは、倒すべきと判断したと言う事なのだろう。助かった。

「…ゾンビは人を殺してしまうんですか？」

ゾンビと目が合ったあの時、私は理由もなく死を察した。
刃物を持っている訳でもない、素手で足を引きずりながら歩くゾンビに対してだ。

「そうなりますね。何かしらの細菌があるのか、噛まれると殆どの確率で死に至ります。
体内にその細菌が入ってしまうと良くない様ですね。」

話を聞けば聞くほど、
あの生物は映画で見るようなゾンビと大体同じようだ。

「でもゾンビと言うと、元は人間ですよね？倒しづらくないですか？…ほら、人権とか色々…」

恐る恐る聞いてみたが、佐藤さんは少し驚いた様に目を丸くした。

「…ゾンビと人間に関連性は存在しないですよ？」