1話 時雨ヶ丘学園 ページ3
私立時雨ヶ丘学園。
私が通っている学園。
私、もとい前川滸(ﾏｴｶﾜﾎﾄﾘ)は今日からこの学園の中学三年生だ。
中高一貫校のこの学園に中学校受験をして二年と少しが経った。
受験した日のことはよく覚えていないが、周りがやけにピリピリしていたことだけは覚えている。
そんなピリピリしていた中の、後に合格者となる受験者も今ではそんなことも忘れたかのように、伸び伸びと学園生活を楽しんでいる。
この時雨ヶ丘学園は、校則の緩い学校としてそれなりに有名なのだ。
髪型に校則は無く、染色してもカールしても剃ってもOK。
スマホやゲームは授業中や集会中でなければ使用は自由。
制服に関しては「着ていればOK」と言わんばかりの緩さだ。マントやコートで制服が外から見てほぼ隠れない限りは何を着用してもいい。
時雨ヶ丘学園の生徒だと認識できれば構わないらしい。
しかしこんなに校則の緩い学校でも、見るからに悪そうなヤンキーや、関わるだけで危険そうな輩は居ない。
「受験をして入学した」というのが大きいのだろうか。
片田舎の学園にしては時雨ヶ丘学園はそれなりに学力のレベルが高い。片田舎にしては、だが。
それなりに勉強をしないと入学出来ないこの学園にそこらのヤンキーが入りたいとは思わないだろう。確かに私もそう思う。
わざわざ中学校受験をしなくても、入れる公立中学校なんていくらでもある。
なのに金を払ってまで中学校受験をして、仮に受かったとしても同じく受かった自称エリート(笑)に囲まれるのは御免だ。
私も、そう思っていた。
だがそこまで私立中学校に対しての偏見があった私がこの学園を受験した理由はとても簡単で単純なものだった。
家が、近いのだ。
先程にも挙げたように、私の住む街は残念ながら片田舎だ。中学校の数が少ない。それも家からかなり遠い。
毎朝家から徒歩十分のこの学園は通学にはもってこいだった。
「あんなに私立行きたくないって言ってたのに！？」
「家から近かったら良いんだ！？」
と友人には言われたのは懐かしい思い出だ。
彼女達は元気にやっているだろうか。
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虎珀(前川)(プロフ) - ありがとうございます！！だらだら更新していますが今後も読んでいただけると嬉しいです…！ (2017年6月11日 17時) (
レス) id: e92529ad64 (このIDを非表示/違反報告)
ひげちゃん(プロフ) - とても面白かったです！リアル忙しいと思うけど更新頑張ってください笑笑応援してます(´ω`＊) (2017年5月31日 21時) (レス) id: ec25b2831b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：片桐(前川) | 作成日時：2017年4月23日 21時
