11話 文化部のプライド ページ13
新聞部は、その名の通り新聞を作る部活だ。
校内の情報を取材し集め、新聞という形で広める。
1年前までは無く、ここ半年で新しく出来た部活だ。
と言うのも、この部活を作った張本人が私たちおっぺけ団であるのだが。
おっぺけ団とは私、犬川、奥沢、福沢の四人を指す。中二っぽい雰囲気が出て面白いと、団員ナンバーも決めてある。
だからと言って闇の組織と戦う、友人の仇討ちの為に悪の阻止を倒す、などという非現実的で大それた活動なんてしていない。
いわゆる「イツメン」という形でわいわいしているだけだ。
話は逸れたが、半年前まで、この時雨ヶ丘学園には新部創設や兼部というものが許されていなかった。
生徒の中でそれなりの権力を持つ生徒会が、それを許していなかったのだ。
教師陣は基本的にそういう話題に踏み込んでこないので、生徒会の判断に任せていたのだろう(とは言えやはり反対派に近かっただろうが)。
「あー…部活だりぃ…」
「…嫌なら休めば？」
今から半年と約二ヶ月前。夏休みのとある登校日のことだ。
午前中だけで授業は終わり、部活動生のほとんどは今から部活へ向かう。
人もまばらになった教室に私たち四人は残ってだらだらしていた。
「大会近いから休めないんだよ…良いよな美術部は座って絵描くだけで良いんだから…」
「は？犬川さんもしかして美術部は文化部だから楽〜とか思ってます？どうせ一滴の汗も流してないとか思ってます？？」
犬川の発言に奥沢が反応する。「文化部は楽でいいよね〜」と言われるのを嫌という程聞いている奥沢からすれば実際に嫌な言葉だったろう。
しかし犬川は机に突っ伏した状態で少し考えた後、顔を上げる。
「…実際そうじゃね？奥沢」
真顔で吐き出されたその言葉に、正面に座っていた奥沢が勢いよく立ち上がる。
「いやいやいや！汗かいてるから！！クーラーついてない時あるし！！
と言うか何よりも作品を先生に見せる時の緊張とか知らないだろ！！それなりの自信を持ってても簡単に『ここダメ。やり直し。』って崩される恐怖！！冷や汗だらっだらだから！！メンタルボロッボロだから！！！」
我が幼なじみながら中々の剣幕だ。
まだ残っていた他のクラスメイトがぎょっとした表情でこちらを見る。
「奥沢さんってあんなに声出るんだ…意外…」という呟きが聞こえた途端に奥沢はそろそろと席に着いた。普通に恥ずかしかったらしい。
「…や、何か怒らせたならごめん」
「いいよ全然…叫んでごめん…」
予想外のテンションに戸惑う犬川が謝ると奥沢もまた恥ずかしそうにして謝った。
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虎珀(前川)(プロフ) - ありがとうございます！！だらだら更新していますが今後も読んでいただけると嬉しいです…！ (2017年6月11日 17時) (
レス) id: e92529ad64 (このIDを非表示/違反報告)
ひげちゃん(プロフ) - とても面白かったです！リアル忙しいと思うけど更新頑張ってください笑笑応援してます(´ω`＊) (2017年5月31日 21時) (レス) id: ec25b2831b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：片桐(前川) | 作成日時：2017年4月23日 21時
