taboo 29 ページ32
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Aside
次の日の休み時間。
貴「やっべ、和英辞典忘れた」
お兄ちゃんに借りに行くか……
結局昨日は泣き疲れて眠ってしまった。
朝は、あまりお兄ちゃんと口をきかなかったから、
研磨に変に思われたかもな。
3年生の校舎、お兄ちゃんの教室の前。
貴「あ……」
お兄ちゃんと純花さんが、楽しそうに話すのが目に入る。
そこで固まっていると、夜久さんが私に気づいて駆け寄ってきた。
夜「Aちゃん、どうかした?黒尾?」
貴「あ、はい
和英辞典忘れて……」
夜「ちょっとまってな、黒尾ー!」
夜久さんの声で私に気づいたお兄ちゃんが和英辞典を持ってこっちに来た。
その後ろで純花さんが可愛い笑顔で私に手を振るのが見えたので、
なんとか口を笑顔の形にして会釈した。
黒「まったく、しかたねーな」
貴「ん、ありがと」
黒「もう忘れんなよー?ww」
にやにや笑いながら、私の頭を撫でる
いつもと変わらないことだ
いつもと同じ、優しい手。
でも、気づいてしまったの
その優しさは、私だけのものじゃないんだって。
貴「……ッ」
同じ優しい手で、純花さんにも触れたんでしょう?
これ以上、私を惨めにしないで……
貴「触んないでよッ!!!」
ぱしっ、と、乾いた音が響く。
気づいたら、
私はお兄ちゃんの手を振り払っていた。
黒「……いって……A……?」
貴「あ……」
やってしまった……
貴「ご、ごめんなさい……!」
私は、走ってその場から逃げた。
ああ、どうしよう
どうしよう
お兄ちゃんは、何も悪くないのに……
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夢月詞(プロフ) - 三日月さん» アホだけど!笑笑 (2015年5月5日 15時) (レス) id: dd23b6a49d (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - 良いねぇ〜夢主可愛い (2015年5月5日 15時) (レス) id: c401050206 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢月詞 | 作成日時:2015年5月2日 12時