【黒尾鉄朗】策略家兄×天邪鬼妹 (ページ20)

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夜久side

翌日、早朝。

？「夜久さん夜久さん起きてください！」

誰かが呼ぶ声が聞こえた。

誰だよ、まだ眠いのに……

夜「……んぅ、いまなんじ…ってA！？」

なんでここにいるんだよ！？

男子部屋だぞ！？

貴「おはよーございますッ！

コーチに頼まれて起こしにきましたぁ」

夜「ああ、成る程」

自慢げに言うAを見て、いちばん最初に俺を起こした理由がわかった。

貴「じゃあ、あとはよろしくですっ」

夜「任せとけ」

Aが部屋を出たあと、全員を起こしてまわる。

黒尾はラクだ。枕を盗れば起きるから。

他の部員も呼べばすぐに目を覚ます。

ただ……

夜「けんまー、起きろー」

孤「……」

問題は研磨だ。

去年もこんなだったなぁ、なんて思いながら、

黒尾と山本と3人で揺すぶって無理矢理起こした。

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朝食のあと、合宿所の近くの市立体育館に行く。

そして、ランニングだ。

いつもはキツいけど、
知らない景色を見ながら走るのは、少し楽しい。

普段より早く終わったように感じた。

……なぜかAが、しかも余裕でついてくるのはいつものことだ。

気にしない。

貴「あれ、研磨は？」

山「おい、研磨いないぞ！」

夜「はぁ！？」

初めてきたところだし、
迷子かな……？

黒「俺ちょっと探してくるわ」

貴「私も行ってくる！」

夜「おー、頼む」

準備などもあったので、研磨は黒尾兄妹に任せることにして、走っていく2人を見送った。

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海「あの2人、別々の方向に進んだけど大丈夫なのか？」

夜「え」

海「しかも、Aちゃんはさっき走ったコースじゃない方に行ったぞ」

夜「まあ、Aにも考えがあるんだろ」

……たぶん、な。

海「そうだといいけど」

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