検索窓
今日:32 hit、昨日:17 hit、合計:64,971 hit

taboo 11 ページ13




Aside




気がつくと、家の近くの公園に立っていた。


シロツメクサが群生する、昔よく遊んだ公園。




そこのブランコに、グレーの髪の女の子がひとり。
……泣いていた。


あれ、私か……?




そこで、ようやく これが夢だと気付いた。

私が子供の頃の夢だろう。


小学校の3年生あたりかな






「A!」



背後から聞こえた声に振り返ると、



今と変わらないトサカヘッドの男の子……



「おにいちゃん!」




そう叫んだのは私じゃない。
ブランコに乗っていた女の子。






そこで、少しだけこの時のことを思い出す。

確か、クラスの男子に髪の色を馬鹿にされて、悔しくて泣いていたんだっけ。




小さいお兄ちゃんは、手に何が持っていた。


そして、それを小さい私の頭に乗せる。




「あげる」


「わぁ……!」



それは、不恰好なシロツメクサの花冠だった。

お兄ちゃんが作ってくれたもの。



「ありがとう、おにいちゃん!」




「……もう泣くなよ

何かあったら、俺が守ってやるから!」



そういって私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。




「うん!」




「大好きだぞ、A!」



「わたしも、おにいちゃんだいすき!」





ああ、この頃は

こんなにも素直に『大好き』を言えてたんだ




いつの間に、天邪鬼になってしまったんだろう。




「ねえ、お姉ちゃん」



小さいお兄ちゃんがわたしの方を向く。




「今は……?


今は、俺のこと好き?」





うん




好きだよ





でも、君たちの言う『好き』とは



何か違う。







じゃあ、この気持ちは……?






taboo 12→←taboo 10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢月詞(プロフ) - 三日月さん» アホだけど!笑笑 (2015年5月5日 15時) (レス) id: dd23b6a49d (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - 良いねぇ〜夢主可愛い (2015年5月5日 15時) (レス) id: c401050206 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢月詞 | 作成日時:2015年5月2日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。