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「はぁ…ブラックだ」
「んぁ?」
「なんでも、ないです」
足も腕も、頭も痛い。
身体が悲鳴を上げるってこのことを言うんだろう。
しかし、任務をさぼるわけにもいかず、私は師範に家を追い出される形で任務へと向かう。
任務に向かう途中、昨日のことを考える。
『鬼は嫌いか』
音柱様に先日聞かれた。
『嫌いですよ。そのために、ここにいるんですよ』
大丈夫だと思ってた。
今までも、誰にもばれなかったのに、
だから聞きたかった。
『どうして…そんなことを聞くんですか』
『嫌いじゃねーだろ、鬼のこと』
そして、聞いてしまったことを後悔した。
『嫌い、じゃない?』
『柱、なめんなよ』
きっと、風柱様も察している。
そういった。
『まぁ、言いたくなきゃいーんだけどよ』
「言えるわけない」
ごめんなさい。鬼狩りの皆さん。
私は、どうしようもなく嘘つきで、みんなと戦う価値なんてないのに、
「A様」
「っ…」
「お呼びです」
「嫌、今日はいかないと伝えて」
「…かしこまりました」
ほら、こんなにも最低人間だ。
あ、”人間”じゃないか。
「あー、最低だ」
でも、生きなきゃいけないの。
だから、意地でも隠さなきゃ。
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作者名:No・2 | 作成日時:2021年4月20日 1時