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10. ページ10
重い足を引きずるように学校へ行くと、まだ美紀は来ていないらしかった。
私は席について、ランドセルの中身を道具箱の中にしまう。その中にはもちろん、昨日買った悪夢日記をつけるためのノートもある。
まだ真っ白なノート。
悪夢を書くためだけのノート。
恐ろしいノート。
頭の中はなんでこのノートに悪夢を書いてはいけないんだろう、ということだけでいっぱいで。
やっぱり、悪夢が現実になるから──?
脳裏を過った美紀のお兄さんの悪夢日記。
予言じみたあの内容が、頭の中をちらつく。
「瑠夏。日記書いた?」
突然声をかけられ、肩が跳ねる。慌てて顔を上げると美紀がよっ、と片手を上げた。
「おはよう。昨日は夢を見てないから、まだ……」
「なんだ。あたしはもう一ページ目埋めたよ。結構リアルな夢でさー」
美紀はそう言うと机の上にランドセルを置いてノートを取り出す。そしてそれを私に突きだした。
「読んでみて、本当に怖いから」
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作者名:さっく。 | 作成日時:2018年10月15日 15時