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重い足を引きずるように学校へ行くと、まだ美紀は来ていないらしかった。

私は席について、ランドセルの中身を道具箱の中にしまう。その中にはもちろん、昨日買った悪夢日記をつけるためのノートもある。



まだ真っ白なノート。

悪夢を書くためだけのノート。

恐ろしいノート。


頭の中はなんでこのノートに悪夢を書いてはいけないんだろう、ということだけでいっぱいで。

やっぱり、悪夢が現実になるから──?


脳裏を過った美紀のお兄さんの悪夢日記。
予言じみたあの内容が、頭の中をちらつく。


「瑠夏。日記書いた?」

突然声をかけられ、肩が跳ねる。慌てて顔を上げると美紀がよっ、と片手を上げた。

「おはよう。昨日は夢を見てないから、まだ……」

「なんだ。あたしはもう一ページ目埋めたよ。結構リアルな夢でさー」

美紀はそう言うと机の上にランドセルを置いてノートを取り出す。そしてそれを私に突きだした。


「読んでみて、本当に怖いから」

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作者名:さっく。 | 作成日時:2018年10月15日 15時

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