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11. ページ11
促されるままにノートを開く。
そこには少し崩れた丸文字で書き込まれた簡潔な文が数行。
夢の内容を書き出したものらしいのだが、それを見るだけでは特に「怖い」と感じることは無い。
夢を見た本人である美紀はそこに書き込まれている数行だけでも夢を鮮明に思い出せるから、そうなのかもしれない。
「ごめん、私にはちょっと……」
「そう？
でも、このノートに書いたらね。何となく怖さが半減した気がしたの。すごいノートだよ」
絶対やるべき、と囁いて美紀はランドセルとノートを手に自分の席に走っていく。
美紀に気づいた女子は急いで彼女を囲み、昨日のドラマの俳優がどうのという話題で盛り上がり始めた。
頭の中でお兄ちゃんの声がぐるぐる回って。
美紀の言葉が耳の奥でぼわぼわと反響している。
──今日。もう一回、ネットで調べなきゃ。
分からないままにしておくのはなんだか気持ち悪かった。
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作者名：さっく。 | 作成日時：2018年10月15日 15時
