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2. ページ2
「ああ、それね」
美紀はそう言うと黒いランドセルから一冊のノートを取り出した。
古びたそれの表紙には「悪夢日記 高橋夕」と書かれている。
これは美紀の一番上のお兄さん(十八の時に亡くなっている)が付けていたものらしい。開いてみると、一番最初のページに『空き教室で友達を待っていた時、後ろで二人の女子が話していたからやってみることにした』と書かれている。
「でね。この日記をつけてると夢の内容が現実になってくらしいの」
美紀が興奮気味に言う。日記の一番最後──と言っても、十七ページ目なのだが、そこに彼の死因が書かれているのだと言う。
『十八になったらおれはバイクじこで死ぬ。もう日記は書かない』
最後の一行がなんだか不気味で、これじゃあまるで予言じゃないかと思った。美紀の方を見ると、彼女はにやにやと不気味な笑みを浮かべている。
「もしこれが本当なら、やってみる価値、あると思わない?」
「え、でも不謹慎だよ……。これ、お兄さんほんとに亡くなっちゃってるんなら絶対ほんとだよ」
美紀はふっと鼻で笑う。
「そんなの、偶然に決まってるでしょ」
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作者名:さっく。 | 作成日時:2018年10月15日 15時