お姫様？だから何？【青葉城西】4

129.恐怖 ページ9

黒田side






Aが起きずに1ヶ月




無菌病室に移されてから2週間程






唐突にAは目を覚ました




しかも記憶がハッキリしていて






正直最初は嬉しかった








だけど







数分後には怖くなったんだ








Aは最終段階に入っているのではないかという恐怖






みんな一度は聞いた事がある話






死ぬ間際になると人は急に一時的な回復を見せる






今まで寝たきりだった人が動いたり



今まで無反応だった人が急に話すようになったり






ただの迷信だと思われがちだが

実は本当にある話で






俺の祖父がそのいい例だった





認知症で


俺愚か、息子や娘さえもわからなくなっていたのに



死ぬ数日前から

認識してよく話をしていた







回復したのだと思ったが



すぐに急変して亡くなった









全ての人がそうとは言い切れないが






Aを見ているととてつもない恐怖が襲ってきたんだ









祖父と同じように



近いうちにこの世から消えてしまうのでは無いかと、、、









無菌病室は面会時間が限られて居たから



俺たちは程なくして病室を出た









看護師さんにAが目を覚ましたことを伝え


同時に佐川先生を呼んで欲しいと伝えた









及「何か用事？」





黒「ちょっと聞きたい事があるんだ」








もし、最悪の結末が待っているのであれば
担当である佐川先生の話を聞きたい









俺はその一心だった









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