眠り姫【澤村大地】

眠い…17 ページ18

澤村side






菅「喧嘩してても
ちゃんと連れて帰るって大地らしい」






部活が終わり
今は帰宅中





Aは背中でスゥスゥ寝ている






澤「喧嘩って言うか、、、

俺が悪いからな」






菅「本当、大地はAに弱いよな」








弱い、、、か





そりゃそうだろ


惚れた弱みってやつだ






菅「喧嘩の理由は
教えてくれないのか？」





澤「、、、薬を、もう飲みたくないってさ」






Aからの許可なく
話をするのはいけない気がした





あの時わざと小声で話していたA






スガは幼馴染だし
Aは気にしないかもしれないけど







菅「今まで文句も言わず飲んでたのに
なんでいきなり？」





澤「、、、、詳しい話は
Aに聞いてくれ」






菅「、、、わかった」





幼馴染同士
自分だけ知らないのが不服なのか

見てわかるくらい
不貞腐れた顔をするスガに




少しだけふっと笑ってしまった






菅「なんだよその顔
なんか腹立つー」





澤「ごめんごめん
お前が子供みたいに拗ねた顔したから
つい、な」





菅「とりあえず！！
大地はAを泣かせない事！

じゃないと嫌われるからな〜！」






澤「はは、、、だよな、、、」






わかってはいるんだけどな、、、






『大地まで、、、そんな事言うの、、、？』






あの時のAの顔が
ずっと頭から離れない







Aはきっと思っていたんだ





大地ならきっと
私のことをわかってくれる





って







俺はAの期待を
裏切ってしまったんだ









あの時はAが死ぬ




その事で頭が一杯で







でも、もし俺がAの立場なら





俺もきっとAに言うだろう







薬はもう飲みたくない

どうせ未来がないなら
少しでも楽しい思い出がほしいって







少し時間が経って冷静になれば
俺の方が言葉を間違えたのだと
簡単に納得できる








澤「俺、今度の日曜部活休むわ」





菅「おー？なにか用事？」





澤「すごい大切な用事」







おばさんを説得するのは
大変かもしれない







でも今俺が出来ることは
これしか無いって気がするから








A






いい思い出


作ろうな









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