眠り姫【澤村大地】

眠い…13 ページ14

澤村side






まさか目の前で誰かが引かれる場面を
見るとは思わなかった






車を運転していた人が慌てて救急車を呼んだ






俺はただ唖然と立っていることしか
できなかった






病院に搬送されて
すぐに手術が始まった






程なくしてAの両親も来て






泣きじゃくりながら俺は
目の前で起きた事を説明した







何時間もかかる長い手術が終わって
Aが出てきた時には
ホッとした






術後ある程度回復した時に
精密検査を色々受けた






あの事故以来
Aは良く寝るようになった






最初の内は怪我も酷かったし
病院側が好意で寝てもらっていたんだと思う







だけど何日経っても


傷が癒えても





Aが起きてる時間は
1日4〜5時間程度だった








そしてAのおばさんに言われた







Aは寝てしまう病気なんだって







その時の俺には
あの事故が原因としか思えなかった







おばさんは勿論付け足すように
生まれつきのものだと言ってくれたけど






事故をする前は昼間ずっと起きていたA







自分のせいだと思わずにはいられなかった









勿論小さい時からAが大切だった




幼馴染でずっといくのは嫌だった







そういう気持ちと



事故の罪悪感





俺は進んでAの面倒を見るようになった








おばさんも仕事があるから
嫌な顔ひとつしなかった









.

眠い…14→←眠い…12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す