眠り姫【澤村大地】

眠い…11 ページ12

澤村side





Aが今日はずっと起きている





それ自体は
俺にとっては嬉しいことだけど





朝薬を飲まないとおばさんに言っていた




学校について
俺からも薬を飲めって促したけど
全く飲んでくれない







しびれを切らして放課後
他のみんなに準備を任せて
俺はAと話をした






そしたらAは




あの薬は睡眠薬だって言う







俺の頭の中でハテナが飛び交った








『もぅいい！！
私帰る！！！！』






詳しい説明もしないまま
立ち上がったA






澤「逃げるな！！」




『だって大地頑固だもん！！！』



澤「それはAがちゃんと
説明しないからだろう！！！」






喧嘩なんていつ以来だろうか







俺の脳裏に嫌な記憶が流れる







≪大地なんてもぅ知らない！！！≫






小学６年生の時に言われた言葉







『詳しく知りたいなら
大地が信頼してる私のお母さんに
聞けばいいじゃない！！！！』





澤「俺はAの口から聞きたいんだよ！！」






喧嘩をしたいわけじゃない


ただ真実が知りたいだけだ






菅「2人とも落ち着きなよ！」





見かねたスガが俺とAの間に
割って立つ




罰の悪そうなAの顔



昔からAはスガに怒れない




多分スガは怒っても冷静だから
怒ったことに罪悪感だけが残るってわかってるんだと思う






『むぅ〜〜、、、、、！！！

大地なんてもぅ知らない！！！』







その言葉を聞いた瞬間


俺の体は勝手に動いていた

体育館を出ようとするAの手を
慌てて掴む






『もぅ！！何！！！！
私帰るんだから！！！！』






澤「、、、、、」






俺の顔を見たAの表情が曇る





『なんで、、、、そんな顔、、、』






やめてくれ








頼むから





またあの時みたいな後悔はしたくない









俺の手は






今までにないくらい
震えていた









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