123.新しい街で ページ5
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一か月ちゃんと働いてお給料を貰い
私は店長さんたちにお礼を言って町を出た
出る前に購入した服と靴
別に新品じゃなくてもよかったので
古着を安くで買った
なんとなくわかってはいたけど
ここは教団からだいぶ離れた町で
ここからならアジア支部の方がダントツ近い
『神田に、、、会えるかな、、、、』
そのまま教団にとも思ったけど
どうせアジア支部が近いのなら
そっちに行ってもいいのでは?
と安易な考えにいたった
もちろん民間人の私が
入れるなんて思ってないんだけど
アジア支部で適合者だといえば
その場で保護してくれるだろうし
そうすれば本部から迎えが来るまで
数日かかるだろうからその間に神田に会えるかも
『ここからだと、、、、歩いて3日くらいかな、、、』
町でバイトしているとき
合間を見て運動して体力アップをしていた
なので夜は野宿をするにしても
1日ずっと歩くくらいはできるはずだ
汽車とかはお金がかかるから
私は歩いてアジア支部を目指した
結局、私自身が何歳くらいなのかは
わからないままだ
教団につけばリナリーの年齢で
私の年齢もわかるんだけど
今は判断する材料が何一つない
とぼとぼと歩き
山を越え、知らない新しい街に足を踏み入れる
この町もだいぶ大きな町だな、、、
そんなことを思っていると
大きなテントが目に映った
『、、、、、サーカス、、、?』
近くまで行ってばら撒かれているチラシを見ると
サーカス団のテントのようで
チラシは夕方にあるサーカスの開催を伝えるものだった
そー言えばアレンくんはマナと一緒にいるときは
サーカス団に入っていたんだよね
ま、サーカスなんてひとつじゃないわけだし
アレンくんがいるサーカスではないんだろうけど
そう思って通り過ぎようとしたら
ぬんっ!と目の前に大きな顔が現れた
いや、正確に言えば顔のサイズは
普通だったんだけど、、、、
『っ!?』
驚きのあまり声も出ないまま
その場で固まる
ピ、ピエロ、、、、
目の前に現れた顔は
白い化粧をしたピエロ
普段白い顔なんて見慣れていないから
心臓に悪い
「お嬢さん、サーカス好き?」
『、、、、興味が、、ありま、せん、、、、』
いくら笑顔で話しかけてこられても
まだ心臓バクバク言ってるんすけど!!
「ピエロにも興味ない?」
『ない、、、です、、、、』
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年1月23日 2時