傍観者でいたかった【D.Gray-man】4 (ページ4)

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122.あたたかい町ページ4

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あの村を抜け出して大きな町に来て
一か月ほどが経った

私はただいま絶賛働き中である

こんな餓鬼でどこの馬の骨ともわからない子供を
よく雇ってくれたものだよねと感心してしまう

昼はレストランの裏方で
食材の皮むき

夜は飲み屋で食器洗い

働く場所が見つかるのに時間がかかったため
まだ初給料はもらえていない

だけど雇い主の人がいい人たちばかりで
まかないを食べさせてくれるので

村にいた時よりはまともに
食事をとることができていた

『これ、終わりましたけど
次何しましょうか？』

「お～、じゃぁそこにあるジャガイモの
皮むき頼む！」

『はい！』

今はお昼なのでレストランだ

有名店とまではいかないものの
それなりにお客さんの入る店なので
雑用の私でも結構忙しい

お昼のピークが終わって
店内が空いてき始めると
店長さんがいつものように私に
まかないを渡してくれた

『ありがとうございます』

「お疲れ
今日も忙しかったな」

『ここの料理おいしいですからね』

ここの店長さんは子供好きなのか
私を快く採用してくれて

いつもすごくにこにこ話しかけてくれる

「もうすぐ働き始めて一か月だけど
本当にやめちまうのかい？」

『っ！

、、、やらないと、いけないことがあるので、、、、』

ここで働くときに店長さんに言っていた

一か月だけだと

私は元々無駄遣いする方ではなかったし
昼と夜のバイトでそれなりにいい旅費代は稼げる

私は適合者で

これからのことを知っているから

私はどうあっても教団に行かねばならない

次は選択を間違えたくない

「さみしくなるねぇ」

そう言って頭をなでてくれた店長さん

たった一か月だったのに
さみしいなって思ってしまう

『まだ後数日ありますよ』

さみしいときにさみしいと言えないのは
私の悪い癖なんだろう

それでもそれをわかってなのか
優しい表情の店長さん

私が巡り合わなかっただけで
世界にはこんなに優しい人たちであふれていたんだと
改めて実感した

夜、飲み屋でも
ママさんに同じようなことを言われた

ここの町の人はとてもあったかい

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