149.作りもの ページ31
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何も起きないまま
あれから数日が経った
私は毎日色々な雑務をこなしつつ
フォーが付き添いできる時だけ
2人に会いに行く
それは昼間だったり夜だったり
時間帯はバラバラだったけど
それでも1日一回は
時間をもうけてくれていたのは
とてもありがたかった
『で、アルマは?』
今日は昼過ぎにフォーに連れられて
会いに来ていた
だけど居るのは神田だけで
アルマの姿がない
神「まだ実験中なんだろ」
『ふ〜ん、、、』
実験の時間って
2人とも一緒なんだと思ってたけど
別々の時もあるんだな
神田の隣に腰を下ろしたものの
アルマがいないと話題もないし
私自身も自らペチャクチャ喋る事はないので
辛い沈黙が流れた
自由勝手にいつでも来れるなら
アルマが戻って来た後に再度来るって言って
帰ることもできるんだけど
今帰ったら確実に
今日はもう許可が出ないだろうから
沈黙でも我慢するしかない
『、、、、、』
神「、、、、、」
『、、、、、、』
神「、、、、、、」
つ、、、辛い、、、
でも何か話してよって
神田に言ってもなぁ
神田が話題もなく喋るタイプじゃないのは
私もよく知るところだ
神「、、、、、お前」
『ん?』
神「そんな風に静かにできるんだな」
『私、基本大人しいよ』
まさか神田から
話題を振って来るとは!!
でもこの話題、先続くのかな?
神「アルマの時は、合わせてんのか?」
『無理して合わせてるつもりはないけど
そうなのかも』
思えばあんな風に陽気に子供らしく喋るのは
アルマの時だけのような気がする
神「そこまでして
どうして俺たちに構う?」
『同い年くらいだから、、、?』
事件が起きるからとは
口が裂けても言えないわけで
神「意味わかんねー」
『ユウって頭悪〜いwww』
神「ケッ、、、」
拗ねたwww
変なところで子供なんだよなぁ
そんな所が可愛いんだけどね
ニシシと笑って居ると
神田の視線に気がついてそちらを見ると
睨むように私の顔を見ていた
『、、、、なに?』
神「お前のそれは、癖なのか?」
『それ?』
それってどれ?
私は身体中を見渡すけどよくわからない
神「作り笑い」
『、、、、、、』
作り笑い、、、、?
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年1月23日 2時