嫉妬姫【菅原孝支】

嫉妬…29 ページ30

スガさんside






Aの居なくなった場所から
目が離せなかった






どうして、、、






どうして俺は






この場で動かずにいる？







Aが飛び降りたのに





何で動かずにいる？








手を伸ばせば
走れば




間に合ったんじゃないのか、、、？







菅「俺は、、、、、っ！！」








散々Aに助けられて
背中を押されて





守ってもらったのに





俺は何も返せてない





ただ傷つけて
罵声を浴びせて







離れていくAを
追いかけることもしなかった






下から悲鳴が聞こえた






同時に




体が震えた





涙が�茲を、コンクリートを
濡らしていく







俺は





いつまでたっても
ずっと、、、、






ヘタレでAに甘えて
何もできないまま









澤「スガ！！！」





大地が屋上に来た





慌てた大地


その目には色んな感情が渦巻いてる






澤「Aが！今！落ちて！！
何があった！？！？」





菅「俺が、、、Aを、、、


傷つけた、、、っ」






澤「それだけじゃわからねぇよ！！」






大地とAは仲が良かった




だからこそ
今大地が俺に向ける怒りは
よくわかる






俺は大地に話した





体育館外の階段でAと話した事



そしてついさっきまでここで
話していたこと






大地は話の途中から
みるみる表情が変わった





動揺して
言葉を無くす大地






澤「、、、病気って、、、」






誰も気づかなかった





それほどAは人間らしかった






いや




人間なんだ






感情が無くても
Aは人間なんだ







菅「最後、、、笑ったんだ、、、
いつもみたいに、、、


飛び降りる気なんだってわかった



わかったのに、、、、体が、、、


動かなかったんだ、、、、っ！！！」







いつもの笑顔なのに
目は寂しそうだった





俺との別れを惜しむような
そんな悲しい目





そんなAが
一瞬綺麗だと思った





作り物だと思いたくないほどの
綺麗な笑顔だったんだ






菅「ごめん、、、A、、、、、」








謝ることしか






今の俺には出来ない









.

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