嫉妬姫【菅原孝支】

嫉妬…25 ページ26

夢主side







中学のバレーの偵察で
大きな大会に行った時に
孝支と会った




とは言っても
孝支とは廊下ですれ違っただけで



孝支が知らないのは当たり前




多分、一目惚れというものだったんだと思う





目が離せなかった






感情が欠落しているはずなのに


孝支をなんで好きになったのかは
説明できない




でも好きだと思った





その後も何度か公式試合で
孝支を見かけた




そしてある日



孝支が烏野に行くという話が
聞こえた




だから私も烏野に行った






高校に上がってからは
自分を演じ続けた




わからない感情を演じるのは
とても難しくて




私の性格は
他人から見たらすごくおてんばに
見えていたと思う





それでも




本当の私を知ってしまえば
きっとみんなは私を今まで通りには
見てくれなくなる




それは多分私の唯一残っている



悲しい
と言う感情が溢れてしまうと思った




孝支と付き合うようになって





それでもやっぱり私の中には


好きという感情しかなかった





頑張って




頑張って





自分を演じて





でもそれは多分
私にとてつもないストレスが
かかっていたんだと思う





少しずつ





好きという感情が
わからなくなっていることに
気づいた






その頃から

孝支が私を疑うようになった






その度になんでなのかわからないけど
悲しみが心を満たした





バレたくないと
思っていたのかもしれない





孝支と会って
もし今後いい関係を築けたとしても




それは長くは続かない




そうわかっていたから
高校までだと決めていた






あと、少しなのに






どうして上手くいかないんだろう







《おかしい》






孝支に言われた言葉が
胸に刺さった





やっぱり私はおかしいんだと
わかっていたはずなのに悲しかった







先生は


なんで発病者が長生きできないのか
教えてはくれなかったけど




そうだったんだ、、、、





発病者は



恐怖も動揺も嬉しさもない




残っているのは悲しみだけだから






だからきっと最後にたどり着く答え







『私は、何のために生きてるの』







悲しみだけを感じる只の人形に
一体なんの意味があるのだろうか







歩いて歩いて



たどり着いた場所






風が�茲を撫でた





下を見下ろすけど
やっぱり何も感じない








あぁ、、、





私はやっぱり
おかしい









.

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