【a】幼馴染(2) ページ6
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眉をひそめながらぶっきらぼうに彼女はそう言った。本当によく出来た子だと思う。
はたから見たら怒ったようなこの表情も、これは彼女なりの照れ隠しだということを俺は知っている。
「ありがとう」
『礼なら私が何かした時に言ってくれ』
「Aて昔っから“ありがとう”を素直に受け取らんよな」
『そういう性格なんだ。ほっといてくれ』
「いや、そういうとこも可愛くて好きやなって思っただけやから」
『……………』
「……………」
『……………』
「……………」
『………あの、え…今……なんて？』
………ヤッバ。
待って。
俺今何て言った…？
めっちゃ無意識やった…え？
そういうとこも可愛くて
好きやなって
好き！？
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
「……ｵﾚ､ｲﾏ ﾅﾝﾓ ｲｯﾃﾅｲ」
『いや！言った！聞いた！！』
「言ってない言ってない言ってない！！！」
『言質取った！』
「言質って何やねん！素直じゃないとこが可愛くなくて隙やなって言った！」
『どういう日本語？』
「どうもこうも正しい日本語やろがわれこらぁっ！」
『ありさか』
「は、はい…」
『誤魔化すな』
「い、いや…誤魔化すも何も、言葉もタイミングも全てにおいて間違っ」
『間違えたとは言わせないが？』
「圧こわ……何や…えーと……というかAは逆にええんか！？急にあんなん言われて」
『何が？』
「だから…その…ｶﾜｲｲ ﾄｶ…ｿﾝﾅﾝ」
『おま…私が一体何年待ってきたと思ってッ…！』
「はあ！？」
『〜〜〜〜〜〜〜ッはあ！？』
「キレんなや！どういう事か詳しく聞かせてみなさい！？」
『うるさい！間違えた！！』
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作者名：之 | 作成日時：2023年5月6日 17時
