【all?】ヘタレ男と(4) ページ50
A。
ここに居る誰もが彼女と関わった事がある。
彼女の性格はよく知っているつもりだ。どれだけ優しくて思いやりのある女性かを俺達は知っている。だからこそ、彼女には幸せになって欲しいと願っている。
果たしてだるまいずごっどにそれが出来るのか？
周りを見るとみんな険しい顔をしていた。
恐らく考えている事は同じだろう。
今ならまだ間に合う。
n「あー…相手がAなら話は変わってくるかも」
a「そうやね。まだ相手の気持ちも分からんし」
v「手を繋ぐなんてもっての外だわ」
d「…なんか、さっきまでと言ってること違くない？」
a「いやいや、だって相手が相手なんだから。相手によってそりゃ作戦も変わりますって」
d「でもバニなんてさっき手を繋いで意識させたら〜とか言っとったけど」
v「いや、1番嫌われるね。やめといた方がいい」
d「…食い気味に否定するやん」
n「そもそもだるまは本当にAの事好きなん？友達としての好きを恋愛としての好きと勘違いしちゃってない？」
d「流石のなるせでも殴るけどええか？」
n「…冗談ですやん」
a「でも大事な事よ。俺達に誓ってちゃんと好きって言えんの？」
d「何でお前らに誓わなあかんねん」
a「いや別に神だって何だって良いんだけど」
d「それは……間違いなく好きよ。1人の女性として。大切にしたいと思っとる」
v･n「……」
a「なら、俺達も全力で応援するから。アドバイス、ちゃんと覚えて帰れよ」
.
それから数々のアドバイスを3人から聞かされ続け、だるまは遂に決心したのかテーブルの上にバンッと両手を置き勢いよく立ち上がった。
d「分かった！俺、頑張ってみるわ！！」
そう言って居酒屋を出ていく彼の背中を、俺達は見送る事しか出来なかった。
a「…どう思う？」
n「とりあえず、次のデートで付き合うはないね」
v「アドバイスがアドバイスだから」
a「付き合うまで手を繋がない。いくら誘われても家には行かない。来させない。ホテルなんて言語道断。告白は相手からされるのを待つetc…」
v「Aが自分の気持ちに気付くのが何時になるんだか」
a「気付いたとして、そこから告白までの道のりも長いやろな」
n「何が全力で応援よ？」
a「俺は応援したけど？自分を」
n「性格悪」
俺達は相手を応援するより足を引っ張り合うくらいが丁度良い。
話を聞いても諦められなかったのだから仕方ない。
終わり
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作者名：之 | 作成日時：2023年5月6日 17時
