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「って、話が今流行ってるの」

いつもと変わらない、穏やかな笑顔でそう告げる葵に対して、私は引き攣った笑いを浮かべる他なかった。だって、葵の話してくれるそういった“ウワサ話”は、ほぼ100パーセントの確率で的中するのだ。

「…寧々ちゃん、顔色悪いよ?大丈夫?」

「あぁ、うん!大丈夫、気にしないで……」

何とか取り繕うようにして笑う。すると、授業の始まりまで僅かなことを知らせる予鈴が鳴った。すると昼休みの騒がしさがまるで嘘のように、クラスのみんなが各々の席に戻っていく。授業の準備をしなきゃ、と思いながら、私はさっき葵が話していた噂のことを考える。

(音楽室の少女……聞いたことないなぁ)

話を聞く限り、それはきっと七不思議に似たような感じの怪異なのだろう。だけど、噂話にしては、ひどく曖昧なものだった気がする。明確に、何が怖いかというものがなくて。なんだかまるで、噂話がひとり歩きしているみたいな。そんな感じだ。

本鈴が鳴る。それに少し遅れて入ってきた先生が始まりの挨拶をして、私はとりあえず、それについて考えるのを中止した。





寧々ちゃん視点です。

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作者名:めぐり | 作成日時:2023年2月6日 22時

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