きみをたべたい 2 (ページ10)

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you side

数分、経っただろうか。

廊下を歩いていた途中でチーノ君が振り返った。

『…どうしたのかな？』

ci「…組長さんは食えへん人ですね。」

明らかに先程までとは雰囲気が異なったチーノ君はそう言った。

『…というと？』

ci「僕、見てたんですよさっきのショッピとの会話。」

『それは気づかなかったな、気配を消すのが随分とうま、ッ゙！？』

俺が話しきる前にチーノ君がこちらに手を伸ばし、思い切り背中を壁に打ち付けられる。

ci「あんたの部屋の場所は変わってない、良かったですね、あのお二人さんと離れなくて」

ci「あんた、気づいてました？ショッピのあの凄く傷ついてた顔、何話してたかは知らんけど、あんたのせいでショッピは傷ついてたんや！」

『…彼にはとても申し訳ないことをしたと思ってるよ、』

ci「じゃぁ何されても文句あらへんやろ、鬼は再生能力が優れてるってエミさんが言ってたしな。」

そう言うとチーノ君はどこからかナイフを取り出した。

『っま、待ってくれ話を！』

ci「抵抗したらあの鬼嫌いの二人に突き出したるわ。」

俺が僅かな抵抗として出した両手を簡単に纏め上げられる。

その重なった両手にナイフが貫通した。

『いッ゙……』

ci「ショッピかわいそー、ね、そう思いますよね、組長さんも、」

『やめっ、ぐぁ…ッ゙…』

体にそこまで深くない、痛みを与えるだけの刺し傷がどんどんと増えていく。

抵抗は、しない。

ci「…なんでそこまで抵抗しないんや。僕が今まで会った鬼は騙したことがわかったらすぐキレて無様に暴れ出した！」

『だって、っ俺が、ここで抵抗したら、俺が逃げ出してグルッペンにでも言いつけたら、君は…君が、悪者になってしまうだろ』

俺はその時、初めて、彼の眼鏡の下に隠されていたの瞳と目があった。