きみをたべたい 2 (ページ7)

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shp side

大会議室から出て長い廊下を歩く。

shp「えーっと、ここが射撃訓練場っすね、コネシマさんとシャオロンさんが大体入り浸ってます。」

nk「僕も滞在している間使わせてもらうことは可能ですか？」

shp「あ、どうぞ使ってもらって大丈夫っす。」

なかむさんは律儀に頭を下げた。

Aさんの側にピッタリとくっついて俺のことをかなり警戒している筈なのに丁寧な人やな。

俺は鬼を見たことも初めてだったが、鬼に仕えてる人間を見たのも初めてだった。

何故、なかむさんはAさんを慕っているんだろう、この人の何がそうさせているのか。

だが、何故か目で追い掛けてしまう、気にかけてしまっているのは俺も薄々感じている。

今だってらっだぁさんと話して表情がコロコロ変わるAさんから目が離せない。

『！この部屋は凄い広いな！』

rd「えぐ…俺等の庭くらいあるんじゃない？」

『む、あの庭だって物干し竿や池を取っ払えばそれなりに…

…？ショッピ君どうかしたか？』

はしゃいでるAさんに見惚れていた俺の顔をAさんが覗き込んでくる。

shp「え、あ、あぁ…大丈夫っす、ここは武道場っすね。近距離でナイフ使ってる人が訓練する用の場所で、ゾムさんとかワイもたまにここで先輩に訓練つけてもらったりしてますね。」

『ショッピ君は体術が得意なのか？』

shp「いや、…先輩に負けたくないだけっすよ。」

『…ふふ、負けたくない相手が居るということは良いことだ。』

え、笑った。かわい。

Aさんの少し低めの声が鼓膜を震わせるたびに心臓の音が大きくなる。

『俺がその先輩とやらに勝てるように少し稽古を付けてあげようか。』

悪戯っぽく笑ったAさんに見事俺の心臓は撃ち抜かれた。