きみをたべたい 2 (ページ3)

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困惑からの始まりページ3

rbr side

rbr「な、何やあれ」

運営組の組長さんが入ってきたときの印象は、

後ろの二人のほうが強そうじゃね？

と思った。

だって、背低いし、女の子みたいな顔しとるし、何より鬼って聞いてたのに角無いし。

だけどあの近距離戦が得意なあの二人の弾を簡単に受け止めてみせたとき、

格好良い。

単純にそう思った。

組長さんはグルッペンについて行って長机の先端に移動していく。

彼が俺の後を通ったとき、

何故か、懐かしい匂いがした。

rbr「何やったっけ…この匂い…」

『えー、グルッペンさんからどれくらい俺の情報を聞かされているかわからないが…東京から来た、関東を取り仕切っている運営組のAだ。そこの睨んでくる二人の言っていた通り、俺は鬼だ。そして、この二人は俺の付き添いで来た若頭のらっだぁと、俺の護衛のなかむだ。』

後ろの二人が軽くお辞儀する。

組長さんの名前はAさんと言うらしい。ぶっちゃけグルッペンからは運営組と会合がある、としか伝えられていなかったため、詳しいことは全く知らない。

流石に関東を取り仕切ってるくらいでかい組やし、組長が鬼ということは知ってたけどな。

こちらからも名前をトントンが言っていく程度の紹介が終わったところでAさんとグルッペンが席に座り、本題に入る。

＿ん、待てよ。

Aって何処かで聞いたことがある。

黒い艶のある髪。誰も彼もを魅了してしまうその瞳と声。

rbr「ぁ、あぁ…あぁあ……」

だめだ、きっと重要な話をしているんだろうが俺のこの脳内にはそんな情報が入る隙間もないほどひっ迫している。

やっと会えたんや、俺。なんで気づかんかったんやろ、阿呆か俺は。

視界の端で隣りに座ってるゾムが何か話しかけてきてる気もするが無視や。

無理、むっちゃ嬉しい。

「Aくん…！」

思わず声が漏れてしまう。

もう二度と見失わない、その消えそうな儚い背中。