第367夜 ページ34
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あれから、クリスマス休暇はあっという間に過ぎ去っていった
今日は年が明けてから初の学校だ
子供達が名残を惜しむように荷造りをするのを遠くに感じながら、団欒から離れた屋敷の隅で僕は出発までの間をぼんやりと過ごしていた
あの風呂場での出来事以来、ブラックが無闇矢鱈に突っかかって来ることは減り(完全に無くなった訳ではない)、おかげで休暇中は比較的穏やかに過ごせた
それ故なのか、あのどす黒い波の音は遠く、暴れたり迷惑をかけることも少なかった
やはり汚染は僕の精神状態に左右されるらしい。汚染自体に波があるのもそうだけど
だからといって楽観視することは到底できない
騎士団の中には僕が闇を克服できるのではと期待する者もいたが、甘い考えだ
「一時的なものだろう。根本的な問題は何も変わっちゃいない」
色めきたつ騎士団に放ったブラックの言葉だが、珍しく僕はそれに賛同した
そう、何も変わっちゃいない
闇の足音は消えてなくならない
いつだって地獄の扉は僕を迎え入れようと開いたまんま
逃げて逃げて、追いつかれそうになってまた逃げて。この数ヶ月、ずっとイタチごっこの繰り返し
＿＿＿＿まったく、そろそろ楽になりたいよ
…コンコン
そんなことを考えていると、ふとドアをノックする音が聞こえた。何となく人物の予想はついてる
「A？入っていいかい？」
『どうぞ。遠慮せず入って』
返事をすると恐る恐るといった様子でドアが開く。廊下の光が部屋に差し込んで少し眩しい
入ってきたのは案の定セドリックだった
「荷造りは出来た？」
『まぁね。大した荷物なんてないし』
「はは…」
埃被ったベッドから立ち上がる。頭を横に傾け首筋を伸ばした。ゴキッと鈍い音が鳴る
「…髪、伸びたね」
徐にセドリックが呟くように言った
肩につく癖ひとつない髪に視線をやる。確かに、だいぶ伸びている
『切る余裕なかったしね。君がカットしてくれるの？』
「…僕にできると思うかい？」
『確かに、君はネクタイも綺麗に結べないもんね。僕の頭がアートになっちゃう』
不服そうにムッと口を引き結んだセドリックに軽く笑うと、先日貰ったばかりのマフラーを首に巻き付けた。うん、あったかい
マフラーを巻いた姿をおばさんに見せておきたい。そう思うと自然と足が軽くなるから不思議だ
「じゃあ行こうか」
『ん』
頷き返し、闇から逃げるように大きく踏み出した
続く (更新停止中)
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
