第337夜 ページ4
魔法封じの枷
あまり見られて気持ちのいいものではなく、僕は今学期ずっと首元が比較的隠れるフード付きのパーカーを着ていた
そのパーカーの襟を引っ張られ、無遠慮に男達から首を覗き込まれる
「おいおい、天下のヘルエレガル様も犬に成り下がったのか？ワンって鳴いてみろよ、なぁおい」
男達はスリザリンの生徒だった
体格や風貌からして上級生だろうか。見覚えのない奴らだ
将来のために少しくらい勉強したらどうだと、自分のことを棚に上げて僕は内心でなじった
「おい聞いてんのか。あぁそうか、犬だから躾てやんないといけないのか」
「ほらワンだよワン。犬みたいに鳴けよ」
ギャハハハと品もなく笑う生徒達に僕はスっと目を細めた
…こいつら、人がわざわざ我慢してやってるというのに付け上がりやがって
『(目玉くりぬいてやろうか)』
暗い昏い思考の波が近付いている
僕は理性が流されぬよう拳を握り込んだ
爪がくい込んだ手のひらからじわりと血が滲むのが分かった
「……おい、さっきから無視しやがって、俺たちを舐めてんのか？」
すると、僕の態度が気に食わなかったのか、集団の中の一人が苛立たしげに舌を打った
「Aちゃんは痛い目にあいたいのかなぁ？」
また別の男がニヤニヤと笑いながら僕の服に手を伸ばしてくる
その手が服の中にまで侵入してきたところで、僕の脳裏にプチンと何かが切れる音が響いた
『…あのさ、あまり僕を見くびらないでくれないかな。確かに魔法は使えないけど』
無遠慮な手が僕の腹を撫で、そのまま上へとのぼってこようとする
『武器は魔法だけじゃないんだよ』
欲に塗れた手を冷めた目で見下ろし、そして目にもとまらぬ速さで男の手を掴み取った
「い"ッ！？」
『しね、クズ』
なんの躊躇もなく、無慈悲に
＿＿＿ボキッ
僕は男の手首をあらぬ方向に無理矢理捻じ曲げ、容赦なくその骨を折った
「ギャアァア"アァア！！！」
到底人のものとは思えぬ曲がり方をした手を抑えながら男が膝をついた
床を転げながら痛みに悶絶する姿を僕は上から冷たく見下ろす
「お、おい、嘘だろ」
「お、俺は何もしてない！」
『五月蝿いな』
他の奴らが鬱陶しくてそれぞれの鳩尾を殴り床に転がす
……だが、何故だろう
『…足りない』
これじゃ物足りない
制裁としてはもう充分だ
だけど、もっともっと、嬲りたい
＿＿＿＿殺れ。殺るのだA！！
波が僕に語りかけてきた
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
