第336夜 ページ3
ハリー達から必要の部屋について訊かれた
あの部屋は僕のものでもないし、独り占めする気はない
だから普通に場所を答えたわけだが、これからはダブルブッキングしないよう、隙を伺う必要があるなと独りごちた
目をつけられている者同士なので、あまり同じ場所に留まらない方が得策だろう
そうこう考えながら廊下を歩いていると、ふと前方から視線を感じて僕は顔を上げた
『……やあ、ドラコ。立ち止まってどうしたんだい』
「…A……」
月明かりだけが眩しい夜の廊下にドラコはいた
もうすぐ門限だろうにウロチョロしていいんだろうかと首を傾げる
どこか顔色の悪い彼
僕が一歩近付くとドラコは怖気付いたように一歩後ずさろうとした
『……ドラコ。別にネックレスの件で君を責めようなんて考えてないから。そう怯えないで』
この前は揶揄いすぎただろうか
ネックレスと聞いて青ざめる彼に僕はため息をつきたくなった
言われなくても、ドラコが進んで闇の魔法が施されたネックレスを僕に渡したなんて考えてない
それに、僕はドラコからプレゼントを貰えて嬉しかった
結果的にはこんな事になってしまったけれど、ドラコの好意はちゃんと本物だったと分かってる
そう伝えるけれども、やはりドラコは体を縮こまらせ震えるばかりだ
「ち、違うんだ……ぼく、僕は……」
『だから分かってるって…』
ため息をつきたくなる
暗い波がじわじわと押し寄せてきているのを自覚した
『(…ダメだな、先生に薬貰いに行かないと)』
踵を返そうとした、その時
「ち、ち、違うんだ……僕は逆らえなくて」
ドラコの言葉に僕は足を止める
『逆らう……？』
不審な言葉に振り返った
その時だった
「おー、マジでA･ヘルエレガルじゃん」
「上手くやったか〜マルフォイ」
「俺こんな間近で見たの初めてだわ」
柄の悪そうな声音と共に数人の男子生徒達がゾロゾロと暗闇から這い出てきた
ニヤニヤと笑いながら僕を取り囲むと、男たちは気安く僕の肩に触れてきた
『触るな、気色悪い』
「うわ、凶暴じゃん」
無骨な手を叩き落とすとぎゃあぎゃあと騒ぐ周囲
ちらりとドラコを見ると、彼は震えながら俯いていた
「マジで首輪ついてんじゃん！」
「手首にもあるぜ！いったそー」
睥睨した傍から気安く触ってくる男たち
僕は部屋に杖を置いてきた事を早々に後悔するのであった
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
