第347夜 ページ14
＿＿＿＿今の豊かさが神の愛とヘルエレガルの知恵の上に成り立つものだと忘れた人々は、次第に傲慢で強欲な人間へと成り下がっていきました
そして賢く強いヘルエレガルを恐れた王家は、あろう事か青年を王宮の住処から追い出しました
何百年と知恵を授け、民草を助けた青年をです
地位を脅かされると考えたのでしょう
青年にとって富や名誉は長くは続かぬ儚いものでしかないというのに
固執に値しないと説いても王家は青年の言葉を受け入れることはありませんでした
そして地位を脅かす者だと言って、王は国からも青年を追い出したのです
『(ま、元々は余所者だしねぇ…)』
むしろ何百年も受け入れてくれていたのが奇跡なんじゃないだろうか
『(実際は数ヶ月、せいぜい数年の話だろうけど。追い出したのも余所者の扱いに困ったからってのが妥当かな)』
フィクションに対して現実的な考察を混ぜながら読み進める
勘違いして欲しくないのだが僕は別にヘルエレガル伝説が嫌いなわけじゃない
むしろ懐かしさと親しみが湧く
昔よく寝物語として読み聞かせられたから当然だ
『(眠れない時よく母様が読んでくれてたっけ)』
そして穏やかな声と共に寝落ちして、朝におはようとハグをしてくれて…
軽く頭を振る
無理やり思考を物語へと引き戻した
＿＿＿青年を哀れに思った神は暫しの休息を理由に青年を自分の住む神殿へと招きました
ヘルエレガルは感謝し、神殿にいる間は給仕に励み、神の語り相手として仕えました
もうずっとここに居るといい。永遠に私に仕え、永遠に私と生きよう
神はそう言ってヘルエレガルを説き伏せました
賢く美しい青年に心を奪われていた神は、どうしても青年を手元に置いておきたかったのです
けれどヘルエレガルは首を振ってその誘いを断りました
国を追われ神殿で暮らすこと数年
ある日、ふと人々の様子が気になった青年は、こっそり神殿を抜け出して国へと帰ることにしました
神殿で暮らすようになってから人の世からは目を背けていたため、人類が今どのような歩みを進めているのか青年は知りません
しかしそこで見たものにヘルエレガルは膝を折って絶望する事になります
血と屍が多く積もる肥沃の大地
青年が留守にしていた間に国は他国との戦争に明け暮れていたのです
豊かな緑と美しい水に覆われていた国の面影などありません
領地を増やし、富を奪い尽くすために
国が選んだものは愛ではなく武器だったのです
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
