第335夜 ページ2
(ハリーside)
『やぁ、お茶を飲みに来たんだけど』
その声に僕らは一斉に振り返る
コツコツと踵を鳴らし厨房に入ってきたのは白銀の髪が眩しい絶世の美少年
『あれ？こんな所で何してんの？』
固まる僕らを見つけたAが目を瞬かせる
首を傾げると少し伸びた髪が彼の頬にサラリとかかった
「お菓子を貰いに…」
『…ふーん』
聞くだけ聞いて途端に興味が失せたのか、Aはドビーに視線を移し『ねぇ』と声をかけた
「は、はい！」
『紅茶飲みたいんだけど用意してくれないかな？』
「はっ、はい！」
手馴れたように命令を下す姿を眺める
適当に椅子を引き寄せるとAはそこにドカリと座り込んだ
『今まで専属がいたんだけどさぁ、どっか行っちゃって。こうして厨房まで頼みに来ないと行けないんだ』
独り言のようなその言葉に、僕はふとAの部屋にお茶を運んでいた屋敷しもべの事を思い出した
あの時は何故Aだけ特別扱いなんだと憤慨していたが、何のことはない
あの屋敷しもべは工作員だったのだ。アトラス･ヘルエレガルの
ダンブルドアの特別扱いではなかった
入学してからずっとAは見張られていたのだ、実の父親に
そして最後には……
『全く、人のお茶に薬を盛るなんて大した度胸だよ』
頬杖をついて笑う顔を盗み見る
彼の表情は言葉とは裏腹に大して怒っている様子でもなかった
「お待たせしました」
『ありがとう』
ドビーからティーセットを受け取ると、Aはカップにお茶を注いで厨房で紅茶を飲み始めた
部屋に戻ると思っていたので僕らは揃ってギョッと目を剥く
『片付けが面倒じゃん。ここで飲んで行った方が後が楽だろう？』
思考を読んだような言葉に更に目を見開く
どうして、と言葉にならない驚きが吐息として漏れた
『君たち顔に出過ぎ。魔法がなくたって考えが読めるよ』
またもや心を読んだ返答に僕はぐっと息を呑んだ
『閉心術の練習した方がいいよ。特にハリーは』
そう言うとAはサッと立ち上がって部屋を出ていこうとした
「ぁ、待って！」
『ん？』
慌てて呼び止めると不思議な顔をして彼は振り返った
「えーと、その…必要の部屋って知ってる？」
彼なら何か知ってるんじゃないか
この世の全てを知り尽くしたような彼なら、と期待を込めて見つめる
果たして、結果は…
『……8階の石壁』
ボソリと呟く声
それだけ言うと彼はさっさとこの場を後にするのであった
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ぽか - 面白すぎてすぐ読んでしまいました！すごく面白いですし、主人公の病みが出てきてワクワクしてます！完結して欲しい・・・！更新無理せず頑張ってください！ (4月19日 17時) (
レス) @page34 id: 8fb0247eee (このIDを非表示/違反報告)
まど - 読んでて物凄くわくわくしました！言葉や展開の言い回しが素敵で、実際にある国などついつい調べて何時間も費やしてしまいました幸せです。是非完結していただきたい…！無理せず更新頑張ってください！ (1月9日 21時) (レス) @page34 id: 6fc7e82b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 凄く面白くて一日で見ました！！今から2週目見てきます！！！！更新頑張ってください！！！！ (12月24日 13時) (レス) @page34 id: 49fa55860c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - はぁぁ！最高です♡♡また更新してください♡待ってます！！！お体にお気をつけて！ (9月12日 21時) (レス) @page34 id: eb702a756c (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - お、面白すぎてイッキ見しちゃった……(ﾟωﾟ)お身体に気を付けて毎秒更新して下さいね！！！！ (9月12日 0時) (レス) @page34 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年12月17日 17時
